三十: 守る意思 ページ31
少し時間を遡り
風牙の都 門前にて
黄金の髪を持つ青年と二人の霊が
壁に背を預けていた。
「久し振りですね ゼノ様」
「ホント久し振りだねぇ。100年ぶり？」
セイやヒビキはゼノと呼ばれた青年に声を
かける
「お嬢さんも、セイも 変わってないなぁ
相変わらず二人共 姉ちゃん…Aの側に
いてくれてんだ」
やさしく微笑むゼノに、ヒビキは苦笑いする
思い出すのは、あの夜のこと
「んー…正直 A様の側を離れようと
思ったけどね。私達をいきなり霊に
戻しちゃうんだもん」
「なら、お前は何でここにいんだよ？」
セイの指摘に、ヒビキは困った表情に変わる困ったのは自分自身に、だ。
「私ね、生前に叶えられなかった願いを
叶えて貰ったんだ。A様に」
ヒビキは、特殊な生まれのゆえ
早く天命が尽きてしまったのだった
「12年は短いよ…」
生前を思い出し、ヒビキは
人の手に戻ってしまった自分の手を見た。
生まれ育った里しか知らずに終わってしまった
人生。
好きだった建国神話の本を読んでは
緋龍王を待ち、外の世界を想像する日々
何も知らないままに終わってしまった人生
死してなお、ヒビキが望むものは
"もっと外を見てみたい"
「ヒビキ、何か他に未練があるから現世に
とどまってんだろ?」
「私の未練か…私が霊でいる理由は内緒！」
口に指をあて、悪戯っぽく笑うヒビキ
セイに苛つきの色が濃く混じる
「ほう…」
「ならさ、セイが現世にとどまってる理由を教えてよ」
ピク…眉を微かに動かしセイは
顔をしかめた。
彼には珍しく、ぽつぽつと想いを語り出す
「償い。俺は、生前の償いの為だ」
「え…」
ヒビキは驚愕に目を見開く。
「ま、俺の話は いつか話す」
視線を外し、遠くを眺めるセイ
ヒビキは詳しく訪ねようとしたが、おもわず
口を閉じた。
「セイ、ヒビキ 霊華姫の本当の従者に
なりたいか?」
ヒビキ、セイは迷い無く頷いた
ゼノは 最後に告げる
Aを守る為に
緋龍王と、霊華姫を試す為に
「成仏出来ない代わりに交わされる
従者の契約の仕方は_____」
告げると黄色の龍は
その場を去った
『セイ！ヒビキ！ごめんなさい
私、二人を巻き込んで…』
息を切らして走って来るA
「しょーがない姫様だなぁ」
「そんなこと気にする必要ないですよ」
『ありがとう。ハク達を追いかける
二人共、ついてきてくれる？』
「御意」
「了解だよっ！」
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深雪 - とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年6月5日 18時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 面白かったです！私パンダアイラブプロデューサーという名前で占ツクに投稿してます。暁風の夢さんのこと応援してます。一緒に頑張りましょう!! (2017年4月29日 12時) (レス) id: 0642b6c808 (このIDを非表示/違反報告)
Pano - 面白かったです！！これから頑張ってください。応援してます！ (2016年9月4日 20時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 良かったです！頑張って下さいね！応援しています(*'▽'*) (2016年6月7日 23時) (レス) id: 244a9211b5 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林春樹 | 作成日時：2016年2月27日 23時
