二十九 : 隠された事実 ページ30
『部屋を出たのは良いけれど
ムンドク様の部屋ってどこかしら……』
「A 体は大丈夫なのか？」
足下から聞こえる幼い声
見ると背の低い男の子だった。
『ありがとう もう平気よ。貴方は…?』
「テヨン。ハク兄ちゃんの弟だ。
じっちゃんの部屋を案内しようか？」
ハクに弟がいたなんて。
意外な事実に驚くも、せっかくなので
お言葉に甘えることに。
手を繋ぎ、歩くこと数分
ムンドクがいる畳の部屋に到着した。
「じっちゃん！Aが用があるって」
「A、気がついたか！」
駆け寄るなりムンドクは ぎゅうっとAを
抱き締める。
『ぐるしい…ムンドク様…』
「ああ、すまんな」
ムンドクの愛の抱擁はハンパない力だと
実感する。
本当にムンドクに会うのは久し振りだ
だが、ゆっくりとしていられない。
『教えてくれる？ムンドク様。今の状況を。
テウやヘンデも、ハクやヨナ様に関する
何かを隠しているわ』
ふう…ムンドクは溜め息を一つ
「……仕方あるまい。ハクの命令とはいえ
隠し通せるとは思っていなかったのじゃ」
『何があったの？』
胸が、ざわつく。
嫌な予感がAを支配する。
「火の部族がスウォン様を王にしようと
しておる。それを承認しない風の部族に
圧力をかけてきたのじゃ。
川の水はせき止められ、商談が襲われた」
火の部族が…動くとは。
予想外の悪い状況。
ヘンデの怪我も、火の部族の圧力のせいに
違いない。
こんな状況
もし、ハクやヨナだったら………
『それでハクは！？ヨナ様はどこ！？』
「……ハクは、ソンの名を返し
ヨナ姫様と風の部族を出た」
『ッ！！』
寝ている間に置いてきぼりにされたということ
だ。そんなに自分は足手まといだったのか。
無力さに唇を噛み締める
「ハクと姫様からの伝言を預かっておる」
"Aは傷つけさせたくねェ
だから、風牙の都で幸せに暮らせ"
"今度は私がAを守る番。
私も、Aを守りたい だから私の専属護衛
は解任するわ。今までありがとう"
涙ながらに告げるムンドクの声には
ハクとヨナの想いが込められていた
Aにも伝わってくる
けれど、納得いかない。
納得いかないのだ。
こんな別れなんて________
『私、ハクとヨナ様を追う。行き先は？』
「そういうと思っておったわい
北山の地。神官様を探しに行っておる」
「A 元気で。大きくなったら
Aに会いに行くからな」
ムンドク、テヨン 風の部族の皆
ありがとう
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深雪 - とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年6月5日 18時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 面白かったです！私パンダアイラブプロデューサーという名前で占ツクに投稿してます。暁風の夢さんのこと応援してます。一緒に頑張りましょう!! (2017年4月29日 12時) (レス) id: 0642b6c808 (このIDを非表示/違反報告)
Pano - 面白かったです！！これから頑張ってください。応援してます！ (2016年9月4日 20時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 良かったです！頑張って下さいね！応援しています(*'▽'*) (2016年6月7日 23時) (レス) id: 244a9211b5 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林春樹 | 作成日時：2016年2月27日 23時
