ニ: 合うのは息だけ ページ2
ある部屋の一室にて。
「ふんふふ〜ん♪」
鼻歌を歌っているのは皇女 ヨナ姫。
椅子に腰かけ脚をばたつかせている。
きれいに磨かれている机は明かりに反射して
光っているようであり、その中心には丁寧に
お茶菓子が並べられていた。
けれど
ヨナ姫は、はねている赤毛の髪を手でいじると
先程の機嫌の良さはどこへやら
はぁーと不満げに溜め息をついた。
「まとまらないなんて‥
サラサラな髪が良かったわっ
なんで私の髪って くせ毛なのかしら?」
「ああ、それは頭が変ですから同じくお髪までくせ毛になったんじゃないですか」
「そこの従者 黙りなさ＿＿？」
ヨナは いつものように声を上げようとしたが
高速で何かが風をきって飛んでいくのが見え
途中で遮られた。
パシッ と良い音がしたかと思うとハクの手には
いつの間にか"短剣"が握られている。
「おいおい、相変わらずだな。
怒ると短剣投げる癖を直した方が
良いんじゃねェのか?＿＿A」
ヨナの背後
引き扉の辺り一点に視線を集中させるハク。
『ははっ。ハクこそ、その他人をいじる癖を
直した方が良いと思う』
引きつりながらも軽く笑って答えるはAと
呼ばれた少女。
うなじの辺りで一つにまとめられている漆黒の髪が風で揺れ、燃えるような紅い瞳はハク一人を、真っ直ぐに映し出す。
ここまで走ってきた為、少し息づかいが荒い。
彼女は、いつの間にか部屋に入って来ていた
らしく壁際に背を預けていたのだった。
走ってきたのに足音は最小限 小さくし
気配を完全に消すことの出来るこの少女は
勿論 かなり戦闘に特化している。
それは、漂わせるAならではの独特の世界感を思わせる雰囲気からも読み取れた。
「A、いつからそこにいたの?
私ったら気がつかなくて‥」
『えーと‥‥そこの可愛くない従者さんが
ヨナ様に、おかしな事を言った辺りからです』
ニヤリと笑いつつ人差し指で指し示せば
指で指された本人も、ニヤリと笑い返す。
「そんな事を言えるんですかねぇ?寝坊して来たのは、どこの誰でしたっけ?」
『う‥それを言われると‥』
今日、寝坊して来たばっかりに
ハクの言葉は的確で言葉に詰まるA。
「本当に、Aとハクは仲良しだね
ヨナの専属護衛者 同士
お似合いじゃないかな」
「『絶対ありえません』」
国王 イルが冗談ぽく、そう言えば同時に答える二人
何だかんだで息だけはお互い合うのだった。
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深雪 - とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2018年6月5日 18時) (
レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 面白かったです！私パンダアイラブプロデューサーという名前で占ツクに投稿してます。暁風の夢さんのこと応援してます。一緒に頑張りましょう!! (2017年4月29日 12時) (レス) id: 0642b6c808 (このIDを非表示/違反報告)
Pano - 面白かったです！！これから頑張ってください。応援してます！ (2016年9月4日 20時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 良かったです！頑張って下さいね！応援しています(*'▽'*) (2016年6月7日 23時) (レス) id: 244a9211b5 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございました！そう言っていただけると嬉しいです。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林春樹 | 作成日時：2016年2月27日 23時
