黒翡翠-あの子の名前は- #2【utit】 (ページ20)

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第67話ページ20

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「黒翡翠は、絶対に持っていて」

「この宝石を、黒翡翠を使うことによって…きっと。能力を開花することが出来る、そんな人がいるわ」

「これは…くろちゃんの魔力を抑えるためでもあるから……」

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くろ side

あぁ、今日は何か夢を見た。…お母さんが出てきたなぁ。
幼い時の記憶やったりして…それにしても何て言ってたっけ…

今はAの家にいる。

会える？って聞いてきたから何やろー、とわくわくしながら来たショッピングモール。
残念ながら遊ぶわけではなかったようで……

そこからAの家に向かうことになり、今は黒翡翠の話をしている最中…。

「「それ大事なやつ」」

と三人のツッコミが自分へ。いつの間に仲良くなったん……

…何と言われたのだろうか、思い出せない。昔の記憶を探っても、出てくるのは黒色。全く覚えていない。

『黒翡翠には魔力を抑える、能力開花という効果がある』
Aの言葉を反芻する。

……今日どこかでその言葉を聞いたような気がする。なのに、どうしてだろうか。思い出せない。

『今日どっかでその効果について聞いたんやけど……思い出せん……』

「うーん…聞いたはずなのに…なんで思い出せないんだろ」

Aはそうやって考え込んだ。

「……夢、とか」

静寂の中、口を開いたのは、渉先輩。

何故か自分のなかで"夢"という言葉が引っかかった。

『夢…夢……。確かに今日夢を見たような……？』

その言葉に、全員の視線が向けられる。

ピリッと脳内で音が鳴った。聞こえてくるのは、お母さんの声だ。

『あぁあああ！！思い出したぁああ！！』

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