今日:8 hit、昨日:10 hit、合計:6,879 hit
小｜中｜大
第63話 ページ16
A side
数秒ほど目線を合わせていたが、彼の方から目線が外れた。
下を向くから、"知らない"…そう言われそうで少し怖い。
「……知ってるよ、中三ぐらいの時から」
やっぱり…私の予想は当たっていたようだ。
詳しい話を聞こうと口を開きかけた時、
「ちょっと忘れ物したから、一回帰るわ」
と、察してくれたのか…そう言い残して渉は駅の方へ歩いて行った。
「…どっかお店でも行く？」
『…そうですね』
見送りながらも、頭の中ではごちゃごちゃと話すことを考えていた。
「こことか、どう？」
そう言って、彼が目線を向けた先は、おしゃれな雰囲気のカフェだった。
女子の好みを分かっている…モテるんだろうな、と思いつつ。
『いいですね！行きましょ』
店員さんに案内され、席に着く。
私から話さないと…先輩も困るよね…
そう思ってはいても、どう話しかけたらいいのか分からない。
とりあえず、適当に美味しそうな飲み物と、お菓子を注文した。
スマホをいじれるような雰囲気でもなく…もちろん、そんなことをしていれば、今ここにいる意味がなくなってしまうが。
『…あの、詳しい話を教えてもらっていいですか？』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玲華 | 作成日時：2020年7月20日 0時
