第31話 ページ32
you side
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『はぁ…しんど…それに暑い…』
「それな…」
私達がいるのは、ライブ会場のすぐそば。
今の時間は午前十時。真夏だからなのか、それとも長時間並んでいるからなのか…
まだお昼ではないが、とても暑かった。
隣にいるのはれな。
そして私達は今、物販に並んでいる。
グッズを失くし、志麻さんと久しぶりに会話をし、勉強に追われていた三年前のことは、今でも忘れていない。
月日は経ったが、れなとは凄く仲が良い。ファンも続けている。
大人になったからこそ出来ることも増え、最近は二人で遠征することもある。
「まぁ、あと少しなんだから頑張ろ…」
『そうだね…』
と返事をしつつ、自撮りをしたりtwitterを見たり。
フォロワーさんとも会うことが出来て、今までの時間でも多くの幸せを感じた。
『お。あと少しで…レジの方行ける…』
そう言うと、え、まじ!?と聞き返すれな。流れている音楽によって、さらに気分が上がる。
缶バを選ぶ時はドキドキしつつ。推しの缶バたくさん出てくれるといいな、なんて思いつつ。
大人になったからこそ、買えるグッズの量が増えるのは嬉しいことだ。
会計を済ませ、れなが出てくるのを外で待っていた。
「A…缶バ開けましょ。」
唐突に本名で呼ばれ少し驚いた。その上死角だったから。
LINEは本名だから、お互いの本名は分かっているが…基本的にネット上での名前で呼ぶから、唐突に言われると驚くものだ。
私は、その提案を受け入れ、笑顔で答えた。
『おっけー!』
「あ、待って当たり出たわ。」
『…ん?…え??……嘘っ!?』
当たりを引いた人初めて聞いた…実際にいるのね…((
一体どんなものかと、れなの手の中を見た。勿論、それは本物で。
『うっわ…羨まし。すご…』
私も当たり出ないかなーと呟きながら缶バの袋を開けていく。
「んー、残念。当たりは一つだけだった。」
『いや、それだけでも凄いし…って私もラスト十個…』
私は当たり無いんだろうな、と諦めた。すると袋を開ける際のドキドキもなくなっていった。
しかし、私の運というものは凄いものだ。
『……っは?』
変な声が出てしまったが仕方がない。正直、私がこれを当てる日が来るなんて思わないから…
…そう思ってしまった理由は…"楽屋招待"の当たりを引いたからだった。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年11月18日 19時) (レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - 蜜柑さん» ありがとうございます!そうだったんですか!?嬉しいです…本当にありがとうございます…! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品、最近見た作品で1番好きで、更新楽しみにしておりました!これからも無理をなさらず、素敵な作品を作っていただきたいです!(`・ω・´)お疲れ様でした! (2020年7月12日 8時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - きむちさん» ありがとうございます!そう思ってもらえて良かったです。更新頑張ります! (2020年5月5日 16時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
きむち - 初コメ失礼致します。とても面白い?です!本当にこの物語の主人公になっている気分で楽しいです!これからも更新頑張ってください!陰ながら応援させていただきます!長文失礼しました! (2020年5月5日 14時) (レス) id: 72534f9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲華 | 作成日時:2020年4月27日 17時