PRESTO！2nd【ars M.A】 (ページ48)

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私が風邪をひいた時、彼がお見舞いに来てくれたって慎吾くんに言われた。

慎吾くんの奥さんが作ってくれた雑炊を食べてた私は、それを思いっきり吹き出してしまった。

「アハハ！何、Aきったねぇなぁ」
「慎吾くん...！雅紀くんが...！？」
「うん、これ持って来てくれたんだけど...お前熱あるし相葉くんにうつったらマズイと思って」
「...そ...だよね...」

...会いたかったな...

「A、相葉くん好きなんだ」
「えっ！？」
「そっかそっか」

慎吾くんは小さな頃から変わらない大きな口で笑って、雅紀くんが持って来てくれたコンビニ袋を渡してくれた。

中には栄養ドリンクや、ヨーグルトがいっぱい入ってて

「......」
「あ、A泣いてる」

ケラケラ笑う慎吾くんに頭を撫でられて「雅紀くんが良い...」なんて慎吾くんが聞いたら怒られちゃいそうなこと、考えてた。

もう、好きって気持ちを隠す事も出来ない。

嘘がつけないよ。

どうしたら良い？

どうしたら、良いんだろう...。

・

ねぇ、神様。

エイプリルフールだよー！なんて言わないよね？

これは...現実？

「...好き...」

雅紀くんの、掠れた声が聴こえた。

「Aちゃんが好きです」

嘘だなんて、冗談だよなんて、言わない？

「私も...」

想いが通じるなんて、思ってなかった。

絶対に、私を見て貰えるなんて思ってなかった。

「...雅紀くんが、好き」

伝えられないと思ってた想いを伝えたら、いつもの大きな笑顔じゃなくってちょっと不器用そうな少し困ったような笑顔で私をギュウっと抱き締めてくれた。

「Aちゃん。エイプリルフール、まだ嫌い？」
「ううん、初めて好きになれた...」
「良かった！嫌いなモンは、一個でも少ない方が良いもんね！」
「...もう...」

なんでこんなに私の心をギュって掴んじゃうの？

貴方はどこまで私をドキドキさせるの？

でも...もう、いっぱい好きになっても良いんだよね。

貴方のキスは優しくて、まるで魔法に掛けられたみたい。

貴方の言葉はあったかくって、まるで素敵な呪文みたい。

きっと、この魔法から醒める事は無い。

雅紀くんの大きな手でふわりと頭を撫でられて、私はまた恋の魔法に堕ちて行くんだ。

・・・END・・・