PRESTO！2nd【ars M.A】 (ページ44)

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79.PRESTO! ページ44

俺が顔を近付けた事にビックリしたのか、Aちゃんが少し顔を動かして

唇が触れ合う前に、鼻と鼻がコツンと当たった。

「いてっ」
「あっ...ごめんなさい！」
「ううん、ビックリさせちゃったよね！ごめんごめん！」
「ううん！ごめんね、雅紀くん」

二人で謝り合ったら、張り詰めてた空気がふわっと緩んだ感じがした。

「鼻、気を付けなきゃだね」
「フフッ、うん」

クスッと笑って目を閉じた君に、触れるだけのキスをする。

唇を離すと、Aちゃんの目がゆっくり開いた。

「...あー...ドキドキしたー...」
「私も...」

ただ触れただけの、こんなファーストキスみたいなチューですっごいドキドキしちゃって

じゃあ、オトナのチューしたらどんだけドキドキするの！？なんて思ったら、ずっと我慢してた色々が溢れ出て来ちゃって

小さなAちゃんの身体を抱き締めて、もう一度その唇を塞いだ。

柔らかい唇を喰むと、それだけでクラッとしてAちゃんがそれに応えてくれるともークラクラで

本当に恋してると、キスだけでこんなに胸いっぱいになるんだな...って、忘れてたキモチ思い出した。

「Aちゃん。エイプリルフール、まだ嫌い？」
「ううん、初めて好きになれた...」
「良かった！嫌いなモンは、一個でも少ない方が良いもんね！」
「...もう...」

Aちゃんが少し拗ねたような顔をする。

「え？俺、何か変な事言った！？」
「その逆...雅紀くんのそーゆートコが好きなの」
「えっ！？」
「私ばっかり雅紀くんの事、好きになっちゃいそうで悔しい」

ねぇ、神様。

俺、魔法使えたっぽいよ。

もしかして神様って、エイプリルフールの奇跡なんて起こせちゃうの？

だけどさ、何か俺も魔法にかけられちゃってるみたい。

本気で悔しそうに可愛い事を言うAちゃんを、俺もどんどん好きになっちゃってるんだ。

俺、君だけの魔法使いでいるから。

だから、いつまでも俺の魔法にかかっててよ。

ずっとずっと「もう魔法から醒めちゃった」なんて言わないで、俺の隣に居て。

俺も絶対そんなコト言わせないように、もっと好きにさせてみせるから

覚悟、しててね。

...って言うか

何かもう色々！色々と覚悟しててよね！

・・・『PREST!』END★・・・