PRESTO！2nd【ars M.A】 (ページ1)

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36.カラフルフリッジ。ページ1

袋からザラザラザラーって音と共に、マグネットが机の上に転がった。

「1、2...6個。いやいや、こんなにマグネットいらねぇよ？」
「全部可愛かったから選べなくってさ！これでも厳選したんだよ？」

俺がフランスで買って来たお土産のマグネットを全部掌に乗せて、ニノは冷蔵庫に向かう。

「野菜室にまで侵食して来た...」

マグネットでカラフルな元は真っ白な冷蔵庫に、ペタペタと今回のお土産も貼り付けて

「余白無くなるし、これからは一個で良いからな？」

って、振り返りながら俺に言う。

「迷惑なの？」
「んなコト言ってねぇだろ？お前の金の心配もしてんの」

こーゆーの結構たけぇって知ってんだよ、って言いながらニノは冷蔵庫を開けた。

「相葉さん何飲むー？コーラと、お茶と、水」
「ビール」
「オレ言ってねぇよな、それ」

パタンと冷蔵庫の扉を閉めたその手には、ミネラルウォーターのペットボトル。

「ほい、思う存分飲んでくれ」
「...水...」
「文句言うなら飲むな」
「飲む飲む！ありがと！」

俺が取ろうとしたペットボトルをヒョイッて上に挙げたニノに手を合わせる。

「しゃーねぇなぁ」

ほら、と手渡されるペットボトル。

その蓋を開けながら、床暖房でヌクヌクの床に腹這いに寝そべったニノに声を掛けた。

「ねぇ、ニノ？」
「あんだよ」
「お金の心配なんかしないで良いんだからね？お土産は、俺も選ぶの楽しいんだし」
「まぁ、お前がそー言うなら良いんだけど...」

ククッと口の端を上げ、冷蔵庫の扉を眺めてる。

「オレも賑やかしい冷蔵庫、嫌いじゃねぇしなぁ」

よいしょ、って起き上がってニノは俺が飲んでたペットボトルを取り上げてコクッと一口飲んだ。

「でー？今日はアレ、渡しに来ただけ？どーせ何か話したいコトがあんだろ？」
「え...あー...えっとねぇ...」
「お前さぁ、思春期の女子かよ...モジモジすんなや、気持ちの悪い」
「ひどっ」

でもまぁ、確かにチョコ貰った位で俺はモジモジし過ぎて気持ちが悪いかも...。

「Aちゃんにチョコ貰ったの！」
「ほぉ。義理？」
「義理...でも無いって言うか...お裾分け？」
「お裾...はぁ？」

いっぱい作ったから、俺にもくれたんだって...って事をニノに話したら

「んー...真意が分からんな」

って腕を組んでたけど

貰えるなんて思ってなかった物が貰えたんだから、真意なんてどーでも良い位に嬉しいんだ。

やっぱ、俺って単純。