忍足侑士さん ページ5
決まった瞬間に周りの女の子は騒然。
女「「「「「きゃーっ！！！！跡部さまーっ！！！！」」」」」
"さま"をつけて叫んでいる。みんな目がハートだった。
予想通り、この金髪の方が跡部さん。
いつの日か、パーカー一枚で立海に乗り込んできた彼に似ている。
そのままボーッと眺めていると、
？「なんやお嬢ちゃん。見ないカオやな。」
「？！」
後ろから急に声を掛けられた。ビックリして後ろを見ると、そこには青みがかった黒髪に丸眼鏡のイケメンがたっていた。
こちらとしても、当たり前なのだが見ない顔である。
でも、あの跡部さんたちと同じ服を着ているから、テニス部の人なのかな？
？「誰か待ってるん？」
「はい...！宍戸さんと、長太郎くんを。」
？「あの二人を？...跡部以外を目的にしてるコ、初めてやわ。」
眼鏡さんは目を丸くして驚いているようだった。それだけ毎日、女の子が跡部さんを見に来ているんだろう。
「今日、転校してきて...。電車で困ってたところをお二人に！今着替えているらしくて、待っていたんです！」
？「なんやお嬢ちゃん、中等部から来たんかいな。俺と同じやな...。
お嬢ちゃん、名前は？俺は忍足侑士。」
「！忍足さんって...！あ、矢野Aです！」
侑「俺のこと知っててくれたん？」
「名前だけは...！宍戸さんと長太郎君が、中等部からここに来るのは私と忍足さんだけだって。」
侑「そ。ほんなら中等部から来たもの同士、仲良くしてや。」
「はい！」
忍足さんは関西弁を使っている。大阪から東京まで来たのだろうか。
それから忍足さんと談笑していると、後ろからタタタッと走ってくる音が聞こえてきた。
侑「待っとる人、来たみたいやな。」
宍「よ！待たせたな！忍足に会ったのか！」
鳳「大丈夫だった？」
息を切らしながら駆け寄ってきた二人。
「大丈夫ってどういうこと？」
侑「なんもしとらんのに酷いわ。」
忍足さんは呆れたように笑う。
宍「こいつは気を付けねぇと色んな女子に話しかけてるからな。」
「あー...なるほど。タイプじゃないので、たぶん大丈夫ですよ！」
鳳「ﾎｯ...。そうだ、フェンス越しじゃなくて、中に入って見ない？そっちの方が俺たちのことも紹介しやすいし。」
長太郎くんがそんな風に提案をしてくれた。見た感じテニス部以外はコートに入っていないみたいだけど...
「うん！わかった！」
私は返事をして、コートの中へと入っていった。
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作者名：麗花 | 作成日時：2024年3月26日 23時
