氷帝の王 ページ4
ー氷帝学園ー
「わぁ〜!想像はしてたけど、やっぱり大きいんだね!氷帝って!」
校門を隔てて目の前にそびえ立つ校舎は、辺りを飲み込んでしまいそうなほど大きかった。
宍「まぁ、関東一二を争う進学校だからな。幼稚舎からあるし。...そういえば、中等部から来るのって矢野以外には忍足ぐらいじゃねぇか?」
忍足さん...?誰だろう。
「その人も宍戸さんたちと同じ、テニス部なんですか?」
私がそう聞くとなぜか二人は驚いたような顔をする。
宍「そうだけどよ...。よくわかったな?俺たちがテニス部って。」
「え、だってさっきラケットとボール出してましたし、肩にかけてるそれ、ラケットバッグですよね?
私、前の学校でテニス部のマネージャーしてたので!すぐに分かりましたよ!」
鳳「そうだったんだ...!!あ、それなら朝練見に来ない?」
長太郎君が視線を向けたその先にはフェンスで囲まれた場所。
...テニスコート、かな。
「本当?見たい!」
宍「お、それならこっちについてこい!あそこが俺たちのテニスコートだ。」
宍戸さんに言われるがままついていくと、周りにものすごい数の女の子がいることが分かった。
「あの女の子たちは...?」
宍「チッ、毎日毎日よく飽きねぇモンだぜ。...あれはな、氷帝の
「え?」
宍戸さんはその光景を嫌なものでも見るように睨み付ける。
王ってどういうこと...?校長みたいな感じ...?
「えぇと...私、邪魔じゃないですか?」
宍「跡部とは離れた場所でやるし、お前一人で邪魔になるわけねぇよ。
んじゃ、着替えてくるからそこで待っててくれ!」
そう言うと、宍戸さんと長太郎くんはベンチにラケットバッグをおいて、部室の方へと走っていった。
「(フェンスの奥でいいかな...。観客席、人が一杯だし。)」
コートを囲うようにある観客席には、きっとその跡部さんを見ている女の子がずらーっと座っていた。みんなの視線は一番端のコートにあつまっている。
そこで行われていたのは金髪センター分けのイケメンと、茶髪マッシュイケメンのラリー。
この二人のどっちかがその"跡部さん"なのだろう。予想だけど、金髪の人だと思う。
しばらく眺めていると、急にその金髪の人が飛び上がった。
?「俺様の美技に...酔いなっ!!」
謎の台詞をいい放ち、一回目のスマッシュで相手の手首を狙ってラケットを弾き、二回目で相手が返せないところを、華麗にスマッシュで決めていた。
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時