想い 2 長太郎side ページ23
〜放課後〜
貴方「あのっ、応援してるから...!」
彼女に呼び止められて、そういってもらえた。本当は嬉しくて仕方のないことなのに...。
俺は、日吉にに負けるところを、サーブをミスするところを彼女に見られたくなくて、酷いことを言ってしまった。
「帰ってなよ...。」
そういったあとの彼女の顔は、驚きで声もでないようだった。
俺はそこから逃げるように、足早にコートへと向かう。
〜試合中〜
侑「なんや鳳と日吉がシングルスで戦うなんて珍しいな。何かあったん?」
向「さあな。...あれ、マネージャーはいねぇのか?」
宍「まぁまだ入部届けも出してねぇんだ。転校初日なんだし、疲れたんだろ!
おい、ジローは起きろ!!」
先輩たちのそんな会話を遠目に、俺は目の前のボールへと集中する。
絶対に、絶対に負けられない...。
激戦の末、俺は7-5で日吉に勝った。
今日はサーブがよく決まった。こんなことなら、Aちゃんにも、来てもらえばよかったな...。
次の日、会うときは絶対にAちゃんに謝ろう。
酷いことを言ってしまったから、嫌われていないといいけど......。
〜そして現在〜
夢主side
ありがとう、と安堵したように笑う長太郎くん。
「忍足さんに、大体の理由は聞けてたから...。私もそこまで考えてはなかったよ!」
鳳「え?忍足さん?」
なぜか長太郎くんは目を丸くして驚いた。
「え?昨日、忍足さん部活休んでたでしょ?だから一緒にカフェに言って、話してたんだけど...。」
長太郎君は言いにくそうに口を開いた。
鳳「...忍足さんは昨日、部活に来て俺と日吉の試合を見てたよ...?」
長太郎君の口からは衝撃の発言が。
私といたの、忍足さんのドッペルゲンガー...?!?!
「そ、そんなはずないじゃんっ!!だって、昨日傘にも入れてもらったし、駅まで送ってくれたんだよ!!」
この世に幽霊なんているわけない、そう思いつつもホラー系が大嫌いな私の顔はサーっと冷めていく。
すると前方から
侑「なんやお嬢ちゃん。俺のこと恋しくて夢でも見てたん?俺は鳳の言う通り、対決を見とったで?」
ジャージを見にまとった、今話題にしている忍足さんがやって来た。
「お、忍足さん!!!」
それ、ほんとなら私が会った忍足さんって、本当に...!!!
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時