もっといたい ページ21
私よりも随分身長が高い真田さんの体に、ぴったりとくっつく。
顔の位置は、真田さんの分厚い胸板...。
顔が赤くなっているのがバレないように、うつむいていると真田さんの心臓の音が速くなっているのが聞こえた。
本当に、こういうところが大好きだ。
真田さんは私のこと、なんとも思ってないしただの善意でしてくれてるんだろうけど...。
ちょっとくらい私のこと、気になってくれてるといいな...。
しばらく沈黙が続いていると、真田さんは口を開く。
真「...気が変わるまで、俺達は待っているからな。もちろん、赤也も...。」
真田さんの体から、そんな声が響いてくる。
「ケガが治ったら...、赤也君に、会いたいです。でも今はまだ、氷帝を楽しみます!」
真「あぁ。そうするとよい。」
そんな会話をしていると、電車のドアが開き、人がどんどんと出ていく。
真「それでは、俺はここで降りる。またな。」
真田さんは私から手を離し、ドアの方へと向かっていく。
もうちょっとだけくっついていたかったな...。そんなこと言っても、彼は止まるわけにはいかないけど。
私は惜しみながら真田さんを見送る。
「はい!...また!」
また、真田さんに会えると信じて。
私が空いた席に座って数分。降りる駅についた。
昨日と同じように氷帝への道を歩く。
ー氷帝ー
朝から真田さんに会えるなんて、本当にラッキー!
私がウキウキで人生の絶頂にいるかのような笑顔で校門を抜けると
鳳「あ、あのっ!!Aちゃん!」
後ろから勢いよく声をかけてきたのは、まさかの長太郎君。
「!!長太郎、くん...?」
え、私のこと、嫌いになったんじゃ...。
一気に顔の熱が冷めていると、長太郎君は頭を下げていた。
鳳「そのっ、昨日は酷いこといって...本当にごめん!」
「へっ?!」
まさかそんなことを言われると思わず、私は驚いてしまう。
鳳「君が見てる前で、サーブミスしたり、日吉に負けるとこ、見せたくなくて...。」
長太郎君は弱々しく言葉を続けてそういった。
何だ、そんなことか...!
私はホッとした。
「うん...!正直、ちょっと悲しかったけど、大丈夫だよ!」
鳳「あっ...ありがとう...。」
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次回、長太郎side入ります。
ちなみに電車のシチュは私が弦一郎さんにしてほしいことです!!無意識でしてください!!!
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時