宍戸さんと長太郎くん ページ3
？「はい！...一球、入」
男「ま、待て待て待て！！分かった、退くからっ！！！」
何か嫌な雰囲気を感じ取ったのか、男の人は慌てて別の車両へと走っていった。
？「ふぅ...。どっか行きましたね、宍戸さん！」
？「よくやった長太郎！」
？「へへっ、ありがとうございます！」
そのまま二人が向かいの席に戻っていこうとするのを、唖然としていた私は慌てて引き留める。
「あっ、あのっ！ありがとうございます！」
青帽子の人が振り向いて笑顔で応えてくれた。
？「おう！ケガはなかったか？」
「はい！」
？「良かったです。...氷帝では見ない顔ですね？」
銀髪の彼が不思議そうに首を傾げて聞いてくる。
「今日から氷帝に転入するので...。」
？「へぇ、何年なんだ？」
二人は私の隣に腰かけて話始める。
近くで見たら、すごくイケメンで、つい見とれてしまいそうだった。
？「確か、俺のクラスに転校生が来るって聞きました。...もしかして！」
「私...かな？２年生です。」
？「おぉ、良かったじゃねぇか長太郎！もう転校生と話せて！」
青帽子さんは隣の銀髪の人の背中をバシッと一発叩く。
？「ちょっ、宍戸さん...！！えっと...鳳長太郎です。よろしくね。」
「あ、うん...！」
差し出された手は大きくて。私はつい両手で握ってしまう。
？「俺は３年の宍戸亮。宜しくな！お前は何て言うんだ？」
「矢野Aです！宍戸さん、長太郎くん、宜しくお願いします！」
電車の中で出会った宍戸さんと長太郎くん。これが私の氷帝での初めての友達だった。
それから目的地についたというアナウンスがなるまで、楽しくお喋りを続けた。
宍「お、着いたな。降りるぞー。」
鳳「はい！」
私が電車を降りるまで二人は待ってくれていた。気遣いもできて、友達になってくれて顔もよくて...。
これからの学校生活が楽しみになってきた。
ただひとつ悲しいのは、もうこれからは彼に会うことはないかもしれないということ...。
それから学校が見えるまで、私はいろんなことを二人に聞いていた。
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作者名：麗花 | 作成日時：2024年3月26日 23時
