本物? ページ17
そのあと注文したドリンクが届き、色々話しているともういい時間...。
侑「そろそろ行こか。」
忍足さんは伝票をもってお会計に行こうとする。
侑「今度またゆっくり喋ろうな。重い話で辛くなったやろうから。」
忍足さん、本当に優しいな...。
「お気遣い、ありがとうございます!」
侑「ええで。...外で待っとってくれんか?」
本気で払ってくれるみたいだ...。
私は悩みつつも、頷いて外に出た。
外に出るとポツポツと雨が降っているのがわかる。
「傘、持ってきてないな...。」
数分たつと、カランカランと音をたてて、忍足さんが戻ってきた。
侑「雨降っとるやん...。お嬢ちゃん、傘は?」
「予報では晴れだったので、持ってきてません!」
侑「災難やな。...お嬢ちゃんが嫌やなかったら、入る?」
そういうと忍足さんは鞄から折り畳み傘を出した。
「いいんですか?」
侑「もちろんや。駅まで送るで。」
では、お言葉に甘えて...と私は忍足さんの傘のなかに入れてもらう。
侑「肩、濡れるで?もっと寄りんしゃい。」
忍足さんは私の肩をもっと中心へと寄せる。
あれ...今関西弁じゃなくて...。
侑「?どした?」
「いえ...!今、ちょっと聞き覚えのある喋り方をした感じがして!」
土佐弁、だったよね?
忍足さんは少し慌てたように
侑「そう?俺はいつも通りやで。」
何もなかったかのようにそのまま歩き始めた。
何分か歩くと、駅のホームにつく。
侑「ほな、俺はこっちの方やから...。気をつけてな。」
「はい!また明日!」
私は忍足さんに一礼して、背を向けて改札へと走り出した。
忍足さんって今日あったばかりだからわかんないけど、色んなところを転々としてたりするのだろうか?
忍足(?)side
「...忍足に
あの子が走り出したのを見て、俺は青髪のウィッグと丸眼鏡をとる。
柳生「仁王くん、お疲れ様でした。」
雨で濡れたホーム内で、靴の音を鳴らして来てそう言うのは柳生...と、レギュラー。
「おう。柳生に全員来てたんか。」
幸「仁王が急にどこかにいったからね。久々のオフだったし、気になってここで待ってたんだ。」
真「うむ。道草でも食っているのではと思っていたが、矢野に会っていたのだな。」
幸村と真田は、あの子が走っていった方向をみてそう言う。
「俺たちに何も言わずにいったからのう。理由が気になってな。」
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時