相談 ページ15
校門を抜けてすぐそこの、大人が入るようなおしゃれな雰囲気のカフェへと入る。
ドアを引くと可愛らしい鈴の音で入店を知らせてくれた。
店員「いらっしゃいませ。二名様ですね。」
店員さんに案内されて、忍足さんと窓際の席に向かい合って座る。
立海の近く、結構しっかりしたご飯屋さんしかなかったからな〜...。
キョロキョロと周りを見回してしまう。
侑「前から気になってたんや。ここは俺が出すから、隠しとること、言ってみ？」
メニュー表をめくりながら、忍足さんはそういう。
「え？！」
侑「あんな顔して何もないわけないやろ。それに、お嬢ちゃんのこともっと知りたいからな。」
忍足さん...。気にしててくれたんだ...。
忍足さんなら誰にも話さないし、きっと長太郎くんが何思ってるか、考えてくれるかもしれない。
そう思って私は、さっきあったことを忍足さんに話してみる。
「実は、朝忍足さんに騙されたあと長太郎くんと話してたら日吉くんが来て...。なんか試合の約束したと思ったら、そこから冷たくなったんです...。」
侑「鳳が？変やな、えぇ感じやったのに。」
忍足さんはメニュー表から目を離して驚く。
「日吉くん、負けたら私と関わるなよって。」
侑「(絶対に日吉が何か言ったな...。)あんな、お嬢ちゃん。鳳、冷たくしとるんちゃうで？
いや、しとるんやけど嫌いだからやなくてな...。」
忍足さんはそう言ってくれたけど、嫌いじゃないなら他にどういう理由で...。
私が考えている間に忍足さんはコーヒーを注文。私にはオレンジジュースを注文してくれた。
店員さんが去っていって忍足さんが話始める。
侑「あいつ、恋愛話が苦手でな。耐性つけるために樺地と少女漫画の貸し借りしてるんやわ。」
「え？！」
苦手なのも驚きだし、か、樺地君と...？！
侑「な、驚きやろ。そんで日吉にそれ関連のこと言われて、意識してるだけやと思うわ。」
「意識...。」
侑「それと、朝はすまんな。あぁでもせんと鳳、一歩も踏み出さんから。」
「いえ！それは大丈夫ですよ！」
心のどこかで長太郎くんと手を繋げて嬉しかった、って思ってた自分もいるし...。
侑「ほんでその日吉との試合は見んでえぇの？」
「一応頑張ってとは言いました！だけど、あんまり行けるような雰囲気じゃなかったので...。」
だって、帰ってなよ。なんて言われて行くほどメンタル強くないし...。
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作者名：麗花 | 作成日時：2024年3月26日 23時
