よそよそしい...? ページ13
二人とも教室へ入っていったが、私は転校生のため教室の外で先生を待つことにした。
長太郎くんは、日吉くんに何を言われたのだろう?
無理に話さなくていいからってどういうこと...?
そんなことを数分考えていると、先生がやって来た。
先「お!転校生か!」
「はい!お世話になります!」
先「じゃあ、俺が名前を呼んだら、教室に入って自己紹介をしてくれ。」
「はい!」
先生が扉を開けて入っていくのを確認し、私は心の中で予行練習をする。
まず名前に、どこから来たかでしょ?それと...来た理由は適当に言っておくか。
楽しみだな〜...みんな、いい人だといいけど!
先「入ってきていいぞ〜!」
先生のそんな声が聞こえて、私はピシッと姿勢を正す。
そして扉に手をかけ、スライドさせた先の世界へと足を踏み入れた。
黒板の前の木目調の教卓へたち、誰を見るともなく後ろへと目を向ける。
「神奈川の、立海大付属中から来ました、矢野Aです!氷帝で学びたいことができて来ました。今日からよろしくお願いします!」
一礼して頭をあげると、クラスメートは皆固まっていた。
完璧だったし、変なことは言ってないけど...そう思っていると、クラス全員が呟いた。
全員「立海...。」
瞬間、教室がざわめき始める。
すごーい!とか、キャー!とか。
先「はーい、静かに。席は、後ろの鳳君の隣でいいね!」
先生の目線の先には目を丸くした長太郎くん。
鳳「あ?!え、は、はいっ!」
何となく、気まずいなぁ...。
日「...。」
そのまま、HRの終わりを告げるチャイムがなる。
「長た」
私が長太郎くんに話しかけようとすると、ガタッと、机と椅子の音が響き、数人がこちらへやって来た。
女「ねぇねぇ!立海で何してたの?!」
女「好きなこととかある〜?!」
男「LINE交換してくださいっ!!」
続々と質問が来て困ってしまう。
今は長太郎くんと喋りたいのに...。
「あ、あの...」
私がおろおろしていると、長太郎くんは席をたって教室を出ていってしまった。
「いっちゃった...。」
さっきからなんで避けるんだろう?あの一瞬で、なにか嫌なことしたかな...。
女「ねぇっ!」
「えっと、一人ずつ答えるから...!!」
そのまま質問攻めから抜け出すことができたのは、四時間目の休み時間。
昼休みなら、きっと話しかけられる...!!
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時