霊幻新隆な日々【モブサイコ100】 (ページ22)

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20話ページ22

夜中、私は眠れずにいた。

熱が上がってうなされ、とてもじゃないが
寝れる状態ではないのだ。

リビングには、私一人。

(どうしよう… 寝れない…)

体も熱いし、動くのもやっと
気持ち悪い…

時計の針を見ると、深夜3時半を
過ぎていた。

やっとの思いで体を起こすと
ソファ越しで見えなかったが
確かに人影がそこにあった。

(まさか…、ど、どど、泥棒…？！)

思わずドタッと音を立ててしまい
人影がこちらの方に来る。

(気づかれた？！ど、どうしよ…！！)

どんどん近づく人影に耐えきれず
目をつむって身構えた。

しかし、その不安はすぐに消え去る。

霊「お前まだ起きてたのかよ…」

霊幻さんだ。

「霊幻さん、なんでここに…？」

霊「いや、トイレしたくてよ。
飲み物ついでに頂こうと思って
リビングにおりてきたわけ。」

よいしょっという掛け声と共に
私の寝ているソファの少し空いてる
空間に座る。

霊「寝れないのか？」

熱のせいなのか、さっきよりも
熱い。

霊幻さんと目を合わせると
体温が上昇するのが自分でも分かる。

「……はい、寝れない… です。」

霊「…………そうか。」

すると、霊幻さんは私の目の前の床に
移動して、今度はソファに
もたれかかるように座った。

「……霊幻さん…？」

霊「なんだ？」

「いや、その、風邪うつりますよ」

霊「寝れないんだろ？
人様の家だしな。俺がいてやるから
ゆっくり寝ろ」

いや…… 余計寝れないんですけど……

カッコよすぎて……

「寝れませんよ……」

霊「なんでだよ。俺の事務所では
グースカ寝てんじゃねえか」

すると、霊幻さんは
寝れないなら子守唄歌ってやる！と
私に即興の子守唄… とは言いがたい
何かを歌っている。

全然寝れないし、むしろ目が覚めてしまう
ほどにゴロも悪く下手くそだ。

なんかこの人、いつも必死だなあ…

「……くっ… ふふ…」

霊「おい、何笑ってんだよ！」

「だって… なんか霊幻さんおかしくて」

霊「～～ッ？！」

霊幻さんはぷいっと
違うほうをむいてしまった。

あ、怒らせたのか…？

「あ、あの、すいません…
怒らせるつもりじゃ……」

霊「い、いや！違うから！
違うから早く寝ろ！！」

顔は違う方を向いたまま
そう言う霊幻さん。

怒ってはなさそうだ。

「変な……霊幻さん……」

安心したのか、眠気がきた。