霊幻新隆な日々【モブサイコ100】 (ページ21)

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19話ページ21

｢え、えっと……？｣

気づかれてる…？
まさかそんな……。

違うよ、ね、？

沈黙になってしまった。
まさか、モブくんにバレて…？
そんなに分かりやすいのか…。

あ、でも友達二人にはすぐバレたしホントに…

焦って思考回路をぐるぐるとしていると
安堵する答えがモブサイくんから
返ってきた。

モ「変な意味じゃないですよ！！
普通に、普通にです！」

汗汗としているモブくんに
私はホッとしてしまう。

(よかった、バレてない……)

前にも言ったが、この感情は
持ってはいけない感情だ。

霊幻さんは大人である。
私よりも10も歳上だ。

もっとふさわしい女性がいるし
想いを伝えても冗談と取れてしまう
レベルの年の差。

もう、結果は見えているし
関係がギクシャクするよりは……

伝えない方が正解。

そういう恋もあるんだ。きっと。

それに、そもそも脈なしなのだ。

(でも、カッコイイ事にかわりはないしなあ)

付き合えたらなあとか、

手、繋いでみたいなあとか

両思いだったらなあとか

何回だって、何百回だって考えてる。

会話する時だって、この時間が
続けばいいのになあとか

霊幻さんは、どう思ってるんだろうとか

いつだって霊幻さんのことを考えてるし

誰よりも霊幻さんが好きなんだ。

……でも、それがダメって言うのは

ちょっと、いや、かなり

(辛いなあ……)

律「あ、あのAさん……」

そこで私は、ふっと我に返った。
でも、もう遅くて……

私の頬に、冷たい何かが滴っている。

「あ、れ……？涙……？」

モ「変な事言ってごめんなさい！
意地悪しようとしたんじゃなくて…
ただ、Aさん師匠と仲いいから…
そういう意味で大好きってことであの！」

モブくんが必死に謝ってる。

ああ、ちがうんだよモブくん。

私が泣いているのは……

(私が、情けなくて惨めだからだ。)

律「大丈夫ですか……？」

「うん、モブくんも、モブくんの
せいで泣いたわけじゃないよ。」

モ「そうだったんですか……？」

「うん。ごめんね、謝らせちゃったね」

私は涙を拭きながら、モブくんの
頭を撫でる。

モ「わっ、Aさん、
恥ずかしいです……」

モブくんが顔を赤くして俯く。

やっぱり、ダメなんだ。

霊幻さんにだけは、悟られてはいけない。

絶対、絶対。