検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:422,087 hit

避けられない要件 ページ17









くだらない夢だった。



目を覚まして最初に思い浮かんだのはそんな言葉だった。




ただの夢にしては、風景、肌で感じた温度、風、そういったものがリアルすぎた。

だが、それでも夢だったのだ。




『……ハアッ……』




手で顔を覆う。




『……私は……最低だ……』












今更だが、時計を見るとすでに起床時間を過ぎていた。

寝すぎたのか頭を金槌で殴られたかの様な痛みが襲う。



急いで身支度をして外へ出る準備をする。

久しぶりに来た制服がきつい。



漸く落ち着いたところで、部屋から出る。










だが、そこに立っていたのは




『……ギ、ギルガメッシュ……!?』




動揺した。

驚いた。


それはそうだ。

マスターでもない女の部屋の前に、冷ややかな目をしたサーヴァントが立っていたのだ。

叫ばなかったのが凄い、と私は思う。





『……何故あなたがここに?』

「……なんだ、もう忘れたのか。」

『何を?』



呆れ顔が癇に障るが、それより、本当にこの男の言っている意味がわからなかった。



「……」

『……』



遂には無言になってしまった。



「本当に忘れているのか、貴様……」


その声に、かなりの怒りが込められていることに気がつき、流石に焦った。

必死で思い出す。




そして、たった一つだけ、心当たりがあった。





『………まさか………あの世話係の件……?』

「それ以外に貴様の所へわざわざ来る訳などあるまい!!」





今日は朝から面食らってばかりだ。


この男は、自ら消えろと言ったにも関わらず、その話を覚えていて、尚且つその任を未だに

この私にやらせようとしているのだ。



『……けど、貴方が私に…興が冷めたとか…消えろとか――』

「だが我は言ったぞ、雑種にはまだ見所があるとな。貴様の理屈で言えば、その時点で貴様に資格が戻っていることにならぬか?」

『…』



確かに、この男ははっきり話を無かった事にするとは言っていない。

私が勝手に相手の言葉の流れから、そう汲み取っていただけ。


ギルガメッシュは、端からそう思っていなかったのだ。










『……確かに。』

「であろう。なればこそ、貴様の取るべき行動はわかっているな?」

『無理だ』



今度は英雄王が面食らう番だ。



『私は今日、学校がある。』

「…ならば、我も行こう。」

『…そうか――――は?』



だが結局振り回されるのは私だった。

穂村原学園→←夢



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (464 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
804人がお気に入り
設定タグ:Fate/Zero , ギルガメッシュ , 英雄王   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。