避けられない要件 ページ17
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くだらない夢だった。
目を覚まして最初に思い浮かんだのはそんな言葉だった。
ただの夢にしては、風景、肌で感じた温度、風、そういったものがリアルすぎた。
だが、それでも夢だったのだ。
『……ハアッ……』
手で顔を覆う。
『……私は……最低だ……』
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今更だが、時計を見るとすでに起床時間を過ぎていた。
寝すぎたのか頭を金槌で殴られたかの様な痛みが襲う。
急いで身支度をして外へ出る準備をする。
久しぶりに来た制服がきつい。
漸く落ち着いたところで、部屋から出る。
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だが、そこに立っていたのは
『……ギ、ギルガメッシュ……!?』
動揺した。
驚いた。
それはそうだ。
マスターでもない女の部屋の前に、冷ややかな目をしたサーヴァントが立っていたのだ。
叫ばなかったのが凄い、と私は思う。
『……何故あなたがここに?』
「……なんだ、もう忘れたのか。」
『何を?』
呆れ顔が癇に障るが、それより、本当にこの男の言っている意味がわからなかった。
「……」
『……』
遂には無言になってしまった。
「本当に忘れているのか、貴様……」
その声に、かなりの怒りが込められていることに気がつき、流石に焦った。
必死で思い出す。
そして、たった一つだけ、心当たりがあった。
『………まさか………あの世話係の件……?』
「それ以外に貴様の所へわざわざ来る訳などあるまい!!」
今日は朝から面食らってばかりだ。
この男は、自ら消えろと言ったにも関わらず、その話を覚えていて、尚且つその任を未だに
この私にやらせようとしているのだ。
『……けど、貴方が私に…興が冷めたとか…消えろとか――』
「だが我は言ったぞ、雑種にはまだ見所があるとな。貴様の理屈で言えば、その時点で貴様に資格が戻っていることにならぬか?」
『…』
確かに、この男ははっきり話を無かった事にするとは言っていない。
私が勝手に相手の言葉の流れから、そう汲み取っていただけ。
ギルガメッシュは、端からそう思っていなかったのだ。
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『……確かに。』
「であろう。なればこそ、貴様の取るべき行動はわかっているな?」
『無理だ』
今度は英雄王が面食らう番だ。
『私は今日、学校がある。』
「…ならば、我も行こう。」
『…そうか――――は?』
だが結局振り回されるのは私だった。
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時