王の宴、開幕 ページ33
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『……ねえ、本当に行くの？』
「…何だ、何か不都合でもあるのか？」
ああ、そうだ。
不都合だ。
『……』
私は師のいつもと違った憤怒の表情を思い出す。
「時臣か？あ奴の事など放っておけ。」
『そういう訳にもいかない。私はこれ以上彼を裏切る訳には――』
「今更何を言う。我についてきた時点で、お前は奴の言いつけを破っているのだろう？」
『…それは…』
何も言い返すことが出来ず、思わず俯く。それを見てギルガメッシュは呆れ顔で溜息を吐く。
「ならば、何も問題はあるまい。」
美しい金髪を夜風に靡かせながら、妖しく光る紅の瞳を細める。
やはり、駄目だ。
この男には敵わない。
『…………わかった。』
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宴の会場は、アインツベルンの居城だった。魔術的な結界が張られているのか、異様な雰囲気だ。
ふと、隣を歩いていたギルガメッシュが霊体化した。
どうやら普段の甲冑姿に戻るつもりらしい。
仕方ないので一人で目的地へ向かう。
((……凄い……))
着いた先で見たのは、二人の王の酒宴。
整えられた広場の真ん中に堂々と座り、大樽を囲んでいる。
世界に名を轟かした、世界を動かした、紛れもない英雄達。
そんな存在が、一か所に揃っている。
そしてそこにもう一人。
私の存在に気づいたアインツベルンのマスターと思わしき白髪の女性と、ライダーのマスターである少年がこちらを向く。
突然の来訪に驚いたのか、ライダーのマスターは目をパチクリと瞬きしてる。
『失礼。私はただの付き人ですので、お気になさらず。』
一歩下がり、敵意がない事を示す。
と、同時に背後から黄金の粒子が舞い始める。
カシャン、カシャンと甲冑が鳴る。
とてつもない威圧感が、横を通り過ぎる。
「戯れはそこまでにしておけ、雑種。」
相変わらずの傲岸不遜さ。だがそれこそが英雄王なのだ。
「アーチャー！？何故ここに…！」
見目麗しい女騎士が声を荒げる。
「いやな、街でこいつの姿を見かけたのでな。誘うだけ誘ってみたのさ。遅かったではないか、金ぴか。まあ余と違って徒歩なのだから無理もないか。」
「よもやこのようなうっとしい場所を王の宴に選ぶとは…我にわざわざ足を運ばせた無礼をどう詫びる？」
どうやら場所が気に入らなかったようで、不機嫌そうに周囲を見渡している。
((そんなこと言いながら……何だかんだ楽しんでいる癖に……))
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (
レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん！！？めっちゃ良いとこで終わってるー！！ (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります！更新頑張ってください！！ (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたび | 作成日時：2016年6月19日 6時
