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「私が吐いた嘘は二つだ。嘘は云わないという嘘と、心中すると云う嘘」
「あとは全て事実だよ」そう続けて云う彼の言葉を、私は既に信用出来なくなっていた。そんな私の考えを彼は理解しているのか、以降は何も話すこと無く部屋へと入ったのである。彼が入った扉のプレートには、達筆な字で資料室とだけ書かれていた。
「私の目的は最初から君と心中する事では無く、彼との依頼を遂行する為だったんだ。けれどそれには嘘を伴わなくてはならなかった」
彼が古びたダンボール箱の中を探りながらも、呟く様に言葉を放つ。私はそんな彼の言葉にうんともすんとも返す事無く。唯呆然とその姿を見ていた。
これから彼は何をするつもりなのだろうか、無知な私では皆目検討がつかない。しかしそれが何であったにせよ、どうせ私が死ねない事には代わりないのだからと、半ば適当な気持ちでいたのも確かであった。暫くして彼が目的の物を見つけたのか、立ち上がってこちらにそれを渡してくる。
彼が私に渡してきたのは白い封筒であった。少し埃を被ってはいるものの、綺麗な封筒だ。そうしてそんな封筒の表面には、見慣れた字で『Aへ』と書かれていた。私はそれを目に入れた瞬間に、目を見開きつつも彼に真相を問うために口を開いたのである。
「……これは彼の字ではありませんか？」
「そうだよ、正真正銘に彼からの手紙さ。Aさんが此処に来たら渡して欲しいって託された物だ」
そう云われて私は嬉しさからか、はたまた動揺からか手を震えさせながらもじっと彼の字を眺めた。そうして字を眺めてから数分後、遂に耐えきれなくなって口を開いたのである。
「今、この手紙を読んでも良いでしょうか」
「構わないよ、だってそれは君のだから」
太宰さんにそう許可を貰い。私は早速丁寧に封筒の封を開けた。そうして中に入っていた手紙を二枚、ゆっくりと引き抜く。その間も太宰さんは無言で隣に居た。折りたたまれて居た二枚の手紙を開く。
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夢希 道華(プロフ) - ゆかりさん» コメント下さってありがとうございます！そう言って頂けて、とても嬉しい限りです！占いツクールではもう投稿しない予定なのですが、お暇があれば後書きからサイトを覗いて見てやって下さい。それでは失礼致しますね！ (2018年5月6日 6時) (
レス) id: 9c1c1e423e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 本格的な小説みたいで良いですね！完結おめでとうございます！ (2018年5月5日 22時) (レス) id: e8168b3b40 (このIDを非表示/違反報告)
夢希 道華(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます。完結迄頑張って行く所存ですので、どうぞ最後まで宜しく御願い。 (2017年12月4日 14時) (レス) id: 9c1c1e423e (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 話の流れにわくわくさせられて、面白いです!!! (2017年12月3日 22時) (レス) id: a96084b98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢希道華 | 作成日時：2017年12月2日 15時
