囚われのノーチェに恋して#15 ページ10
ブラッドリー「どういうことだ」
ミチル「だって、こんなにたくさん強い魔物がいるところを回っても見つからないんです。ベネデッタの実は、本当に幻の木の実で……、この世には存在しない。もしかして、ミアさんはそれをわかっていて、この賭けを提案したんじゃないでしょうか」
ブラッドリー「ハナから結果が決まってる勝負を、賭けとは呼ばないさ。あいつは、そんなイカサマをするような奴じゃねえよ。だからこそ、俺は勝負に乗ったんだ。それに、あの実は確実に存在してる。なんせ、俺は昔、ミアに食わせたことがあるからな」
ミスラ「はあ？じゃあ、木の実の場所を知ってるってことですか」
ブラッドリー「いや、そん時はたまたま手に入れただけだ。場所までは知らねえよ」
賢者様「サクちゃん、どうし……あっ！」
『どうされました？』
ブラッドリー「どうした、賢者」
……ん？なんか、紙を持ってる
……ああ、そういやなんか、討伐依頼あったな
賢者様「あります！強い魔物がいるところ！」
ブラッドリー「なんだって？」
賢者様「今朝、スノウが退治しに行かないとって言ってたんです！討伐依頼書、持ってます……！」
─討伐依頼地
ブラッドリー「依頼書によると、この辺りか……。チッ、吹雪いてきやがったな」
ミスラ「蛇のような魔法生物でしたっけ。焼いたら美味いかな」
『そのすぐに食べる方に持っていくの、やめない？』
ミチル・賢者様「「…………！」」
ミチル「け、賢者様。いま、威嚇するような声が聞こえませんでした……？」
賢者様「そ、そうですね。後ろから……」
ミチル・賢者様「「ひええええ……！」」
出てきたな……
結構でかいけど、まあ大丈夫でしょ
ミスラ「《アルシム》」
ミチル「！？」
ブラッドリー「……へえ？」
『……なるほどねえ』
ちっさいのが集まってるな
今のミスラの攻撃の仕方だと永遠に入らないから、全体からダメージの入る攻撃に変えないとな
賢者様「な、なんですか。いまの！」
ミスラ「《アルシム》……面倒臭いな……」
ミチル「ミスラさん！あの蛇の体から、何か出てませんか？紫の、湯気……？」
ブラッドリー「…………！ミチル、飛べ！」
……んー、この毒は……
ミチルと賢者様なら死ぬな
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
