囚われのノーチェに恋して#14 ページ9
ミスラ「けど、もっとこう、ばーんとできないんですか？」
ミチル「ばーん？」
ミスラ「いや、どーんかな……。とにかく、火花が爆発する感じですよ。わかるでしょ？」
ミチル「う、ううーん……」
ブラッドリー「てめえ、教えるの下手だなあ……」
『致命的なほどにね……』
賢者様「あはは……こう、天才肌って感じの教え方ですね」
ブラッドリー「このまま、こいつの授業もどきを続けても埒が明かねえ。とりあえず、ベネデッタの樹を探すぞ」
─数分後
ブラッドリー「どうだ？そっちにはあったか？」
賢者様「いえ……。それっぽいものは、見当たらないですね」
ミチル「こっちもです。実も何もない、小さな木ばっかりで」
ミスラ「はあ？またハズレなんですか。これで何回目です？いい加減、飽きてきましたよ」
『ここまで見つからないとはねえ……』
賢者様「はあ……。まだ、どきどきしてる。やっぱり魔物に襲われるのって慣れないな。ミチルはすごいですね。あんなに大きくて凶暴な相手に、逃げることなく戦いに挑んで。怖かったりはしませんか？」
ミチル「そうですね……。怖さはやっぱりあります。けど、それと同じくらい何もできない自分が悔しいし、もどかしくって……」
賢者様「ミチル……」
ミチル「ミスラさんやブラッドリーさん……北の魔法使いは、自分勝手で、狂暴で、すぐ力で言うことを聞かせようとしますけど……」
……ん？
ブラッドリー「なんだ。急に醜態ついてきたな」
ミスラ「喧嘩売ってます？」
『この子、私たちによく喧嘩売ってくるよね』
ミチル「でも、どんなに強い敵がきても、賢者様やみんなを確かに守れる力があります。そういうところ、ボク……ボク、その……あ、憧れるなって」
ブラッドリー・ミスラ・ノワ「「『…………』」」
ミスラ「いいセンスしてますね。その心掛けで、どんどん強くなってください」
ミチル「はいっ！」
ミスラ「けど、もうこれで思いつくところは回りきったんじゃないですか。次はどうするんです？だんだん時間も無くなってきましたよ」
ブラッドリー「そうだな……」
夕刻が近づいてきたしな……
次辺りで見つけないと結構きつくなってくる
ミチル「……本当に、ベネデッタの実は存在するんでしょうか」
賢者様「え？」
囚われのノーチェに恋して#15→←囚われのノーチェに恋して#13
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
