囚われのノーチェに恋して#12 ページ7
ミスラ「ちょっと。何を二人でのんびり話してるんです」
ブラッドリー「なんでもねえよ。ここ最近のことを賢者に聞かれてただけだ」
ミスラ「……ふうん……」
ブラッドリー「何か言いたげな顔だな」
ミスラ「あなた、随分と腑抜けましたね。抗いもせず、大人しく魔女の城で良いように飼われてたなんて、それでも北の魔法使いなんですか？」
ブラッドリー「はっ、それをてめえが言うのかよ。魔法舎みてえな小さな箱で、南のガキどもと馴れ合ってるくせに」
ミスラ「はあ？」
『また始まった……』
ミチル「あっ、あの！ブラッドリーさん」
ブラッドリー「何だよ」
ナイス、ミチル
気が利くね、この子は
ミチル「ミスラさんから聞きました。ミアさんは、ブラッドリーさんとよく殺し合っていたって。だから、ボクたちすごく心配して、みんなで、ここまで来たんです。
けど、ブラッドリーさんは危険だってわかっていたのに、どうしてミアさんのお城についていったりしたんですか？
ブラッドリーさんくらい強かったら、会ってすぐ逃げることもできたはずなのに……」
ブラッドリー「まあ、ミアとは長い付き合いだからな。てめえも知ってるだろうが、北の魔法使いの間じゃ、殺し合いなんて、挨拶みてえなもんだ。相手してやるのが、礼儀ってもんだろ。
ミスラだって、気まぐれに飯に誘ってきたと思ったら突然襲ってきたなんてこと、何度もあるぜ」
ミチル「ああ……確かに、心当たりがある、かも……」
ミスラ「なんか、急にむらっとくるんですよね。あ、殺ろうかなって」
賢者様「相変わらず、すごい思いつきですね……」
ブラッドリー「はは、俺たちにとっちゃ、なんてことない日常さ。てめえらが一緒に飯を囲むのと同じように、命がけのやり取りをする。それが俺たちの親交の証だ」
ミチル「…………」
まあ、北の魔法使いはこうしないと生きていけないからね
孤高に生きるためには
ブラッドリー「だから、ミアが城に誘ってきたのも、似たようなもんだと思ったんだ。久しぶりに会った気まぐれで招いただけで、最後にはきっと殺し合いになる。それも悪くねえって、悠長に構えてみたが……。……まさか、こんなことになるなんてな」
ミスラ「本当ですよ。賭けだとかなんとか、回りくどい真似に付き合わされるこっちの身にもなってください。俺とノワがいれば、ミア相手に力ずくでどうにでもできたでしょう」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
