121話 ページ48
ホワイト「……まだその記憶のままなんじゃな」
賢者様「というと……？」
フィガロ「ノワは赤ちゃんの時じゃなくて、確か……5歳か6歳の時ですよね？お二人が拾われたのって」
スノウ「そうじゃ。我らが氷の街を歩いている時に、泣いておるこの子を見つけたんじゃ」
ホワイト「いつからその場所におったのかは分からぬが、体は冷えきっており、ほぼ意識はなかった」
賢者様「…………」
ホワイト「我らはノワを保護し、家に連れていったんじゃ。我らは甲斐甲斐しく世話をしてやり、ノワに愛情を注いでやった」
スノウ「落ち着いてから、名前や歳を尋ねた。名前も歳もはっきり覚えておったし、家の場所も覚えておった。そして、両親はノワを我らがノワを見つけた場所で待つように言い、どこかに行ってしまったと言ったんじゃ」
賢者様「それって……捨てられたってことですよね……」
スノウ「そうじゃ。その時のノワはまだ捨てられたと理解しておらんかった。そして、同時に自分が魔法使いであるということも理解しておらんかった」
ホワイト「我らはひとまず、ノワは魔法使いであるということを教え、魔法を教えた。元々ノワは魔力が強かったからのう。苦労したものじゃ」
賢者様「それは……オズと同じような感じだったってことですか？」
フィガロ「ノワもオズ並みにやばかったからね。コントロールが効かなくて、山1つ吹き飛んだから」
賢者様「ええっ……！？」
スノウ「しばらくしてからノワは自分が捨てられたと理解し始めた。それからはずっと泣いておってのう」
ホワイト「あまりにも可哀想に見えてな。記憶をすり替えたんじゃ。赤ん坊の頃に捨てられたと」
賢者様「そうだったんですね……。だから、ノワは赤ちゃんの頃に捨てられたと……」
スノウ「じゃが、いつこの記憶が元に戻るかはわからぬ。戻った時には、ノワをまた苦しめることになるかもしれん」
ホワイト「何がきっかけで戻るかわからぬからのう……」
賢者様「そうなんですね……」
『ん……』
あれ、いつの間に私は寝てたんだろう
それに誰に寄りかかってるの、これは
ホワイト「起きたか？ノワちゃん」
スノウ「お疲れのようじゃの、ノワちゃん」
『あ、ホワイト。ごめん。ありがとう』
ホワイト「ほほほ。大丈夫じゃよ。ノワちゃん、軽いから」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
