116話 ページ43
ブラッドリー「ベソかくのはまだ早い」
ミチル「……っ、あ……！銃弾と雷撃が頭に当たったのに……」
『……まあ、一筋縄ではいかないよね』
ブラッドリー「……起きやがってきやがった。しぶとい野郎だぜ。後は俺たちに任せな」
……さて、またひと仕事するか
シノ「……っ、ブラッドリー、ノワ」
ブラッドリー「東の小せえの。てめえが一番ひどい有様だ。下がってな」
シノ「はっ……。はっ……」
『……はい、口開けて。応急処置程度だけど、少しは傷が塞がる』
シノ「……っん……」
『ミチル、リケ。２人も口開けて』
ミチル・リケ「「……っん……」」
ヒースクリフ「…………。ブラッドリー、ノワ、待って」
……なんだ？
ヒース、ものすごく真面目な顔をしてるけど
ブラッドリー「何をだ、坊っちゃん」
ヒースクリフ「もう少しだけ、そいつを仕留めるのを」
ブラッドリー「難しい注文だな」
『どれぐらい待てっていうかに寄るね』
ヒースクリフ「一分……。三十秒でいい。シノ。ファウスト先生に言われたこと、ずっと、考えてた」
シノ「……ファウスト？」
ヒースクリフ「俺が中途半端だから、思い切り、本気を出せないんじゃないかって……」
シノ「…………」
ブラッドリー「五秒前！向かってきたぞ！」
『早く！』
ヒースクリフ「シノ。ヒースクリフ・ブランシェットの名において命じる。ミノタウロスの頭、取って来い」
シノ「…………」
なるほど、それでヒースはずっと悩んでたのか
主人と従者だと、どうしても主従関係が生じてしまうから
シノ「……御意！ブラッドリー！ノワ！そこをどけ！あいつはオレがやる！」
ブラッドリー「目に生気が戻ったな。あいつは北の魔法使いでも手こずる魔獣だぜ。てめえにやれんのか？」
『もし、何かあった場合はすぐに私たちが手を出すよ。それでも、やれる？』
シノ「やる。……やってやる！」
ブラッドリー「あっはっは！いいぜ。手柄立ててこい。援護してやるよ」
『ふふっ。いいね、そういうの好きだよ。ちゃんとシノが手柄を立てられるように、援護してあげる』
シノ「外すなよ」
ブラッドリー「てめえこそ仕損じるなよ。俺様がやっちまうぜ」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
