113話 ページ40
賢者様「大丈夫です！心配しな……。…………」
『賢者様？』
賢者様「……フィガロ！城に戻ってください。カインが死にかけてます！お願いします、フィガロ！城に戻って！」
フィガロ「カインが？そいつは大変だ。わかった。すぐに向かうよ。ああ、それから一言だけ！リヴァイアサンを封じるための道具が広間にある。足りない材料もあるんだけど、俺の弟子に伝えてくれたら、何が足りないかわかるはずだ。
俺が戻るまでに集めといてって伝えておいて。きみも気をつけて」
……ちょっと、さすがに一言にしては多すぎない？
鬼畜の所業だな、ほんと
賢者様「……ファウスト！リヴァイアサンを封じる道具が城の広間にあります！足りない材料も集めて、フィガロに……」
……途切れた
本当に大丈夫かな、賢者様
賢者様の方に行きたいぐらいだけどな
バイオレット「……ッ、うぅ……。ううう……ッ」
ミスラ「リヴァイアサンが、彼女に噛み付いた……？」
ルチル「どういうことですか？仲間割れ……？」
『いや、これは……』
昼にホワイトが言ってたような、生贄になろうとしてる……
絵の中のスノウ「オヴィシウスは人形で魔物を魅了して操ることに長けた魔法使いなのじゃ」
絵の中のホワイト「娘たちは最初から、魔獣の生贄として用意されたのであろう」
フィガロ「ああ……。彼女の手足が木に変わっていくね」
バイオレット「……うぅ……ッ」
ルチル「……っ、助けてあげられないのですか？」
絵の中のスノウ「助ける？土は土に、塵は塵に還るだけじゃ」
絵の中のホワイト「あの娘を食らったリヴァイアサンは、魔力を増すじゃろう。それは厄介じゃの」
フィガロ「双子先生は薄情だなあ」
『…………』
楽に逝かせてあげられる魔法はあるけど、それをかけることによって、この魔女の尊厳が妨げられるのなら
使うわけにはいかない
絵の中のスノウ「しかし、この出会いも何かの運命であろう。バイオレットや。言い残すことがあるなら、聞いてやろう」
バイオレット「……ッ、少しだけ思い出した……。私は北の国の魔女だった……」
絵の中のスノウ「憐れな。オヴィシウスに殺されて、マナ石を使われたのじゃな。そなたの仇は討ってやろう」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
