111話 ページ38
バイオレット「《ヴォロ・ハベーレ》」
絵の中のスノウ・ホワイト「「《ノスコムニア》」」
フィガロ「……っ、魔法陣を描いてリヴァイアサンを閉じ込めなければ、際限なく移動を繰り返す。ああ、儀式に必要な道具をグランヴェル城に置いてきた。しかも、まだ集めきっていないし……」
ルチル「フィガロ先生！」
フィガロ「ルチル、下がって！」
ルチル「すみません！こんな時に言うのもあれなんですけど、お伝えしておきたくて！私たち、いくらでもお付き合いしますよ！フィガロ先生の遊び！」
フィガロ「…………」
ルチル「どんな遊びでも、どんな時でも！フィガロ先生がしたいのなら！だって、フィガロ先生は私たちの恩人ですし、私たちは先生が大好きですから！」
フィガロ「……ルチル……」
ルチル……ちょっと優しすぎない？
フィガロ、何か思うとこはないのか
絵の中のスノウ「何が道楽じゃ。戯け者め。神のまねごとが遊びか、凡庸のまねごとが遊びか」
絵の中のホワイト「これ、スノウ」
絵の中のスノウ「もっと、切なるものじゃろうが」
フィガロ「…………」
絵の中のスノウ「ルチルや。フィガロは今夜のために、オズの血を媒介に借りたのじゃ。魔法使いの血、髪、爪や骨が、媒介になることは教えたじゃろう」
ルチル「まあ、そうだったんですか！フィガロ先生！だから、あんな竜巻を！」
フィガロ「…………。実はそうなんだ！だから、今夜はフィガロ先生におまかせっ！」
ルチル「わーっ！格好いいー！」
それでいいんだ、フィガロ
まあ、オズの血が媒介なら余裕だと思うけどね
ミスラ「俺の方が絶対格好いいですけどね」
『張り合わなくていいの、そこは』
絵の中のホワイト「ほほほ。憎いことをするのう、スノウ」
絵の中のスノウ「ほほほ。たまには師匠らしいことを見せておかねばのう。さて。本物のオズの血を媒介にした娘たちはどう出てくるか……」
バイオレット「海の底に沈む石になりなさい。《ヴォロ・ハベーレ》」
ミスラ「いいでしょう……。次は逃がしません。丸焼きにして、食ってやりますよ」
──数十分後
賢者様「みんな、聞こえますか！？」
ミスラ「あれ？賢者様、近くにいるんです？あなたたち呼びました？」
『呼んでない！』
フィガロ「呼んでない、呼んでない！来るよ！ほら……！」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
