囚われのノーチェに恋して#9 ページ4
ミア「……あ……。貴様、何故そんなところにいる……？」
ブラッドリー「何寝ぼけたこと言ってんだ。あんたの仕業に決まってるだろ。この魔法の気配。誤魔化しようがねえだろうが」
ミア「……これを、私が……」
ブラッドリー「なんだよ、無意識だったのか？おい、ミア──」
ミア「っ、黙れ！」
ブラッドリー「…………」
……無意識で、ねえ……
無意識で檻を作り上げるほど……か
ミア「ブラッドリー。貴様を、手放す気はない」
ブラッドリー「どうして」
ミア「……あの者たちの手に渡れば、貴様はまた、牢獄に戻るのだろう。だが、ここにいれば、貴様を石にするまで、私手ずから与えてやろう。極上の衣を。美味の食事を。危険のない、暖かな場所を。貴様はただ、私が手にかけるその時まで、この城で生を享受していれば良い」
ブラッドリー「…………」
スノウ「ほほう……」
フィガロ「へえ……」
ネロ「…………」
ブラッドリー「それだけのものを施してやるから、大人しくあんたに従えって？俺様も舐められたもんだな。しかも、あんたはもうひとつ、勘違いをしてる。俺がここを出たとして、戻るのは牢獄じゃない。魔法舎だ」
ミア「魔法舎……？」
ブラッドリー「ああ。俺が賢者の魔法使いになったのは知ってるだろ。こいつ……賢者の進言で、俺はいま、そこで暮らすようになっててな。牢獄と違って、魔法舎には美味い飯がある。イカした仕立て屋もいる。じじいども次第だが、ある程度は自由に、陽の下も歩ける」
ミア「何をふざけたことを……。そのような生ぬるい場所は、貴様には似合わない」
ブラッドリー「ここならいいってか？…………。……仕方ねえ。そんなに俺を帰したくないっていうのなら、賭けをしようぜ」
ミア「賭け？」
……また面倒なことになる予感
ブラッドリーも結構突拍子もないこと思いつくけどね、だいぶ
ブラッドリー「そうだ。俺が勝ったら、このまま俺は、あんたの城を出る。あんたが勝ったら……俺はあんたのものになる。どうだ」
ミア「愚かな……。そのような面倒な真似などせずとも、この者たちをすべて追い返せば済むこと。何度も言わせるな。貴様は私の獲物だ。誰にも渡しはしない」
ブラッドリー「俺の心を無視してか」
ミア「そうだ。従わせる相手の心など、知ったことではない」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
