102話 ページ28
─ふわっ
『！？ちょっ、下ろして』
ミスラ「暴れないでください」
『ちょっと！！』
ミスラ「……はあ、煩いですね」
『！？……ちょっ、離して、ほんとに』
ミスラ「静かにしてください」
やっばいな、これ
抱きしめる力強すぎて、逃げらんない
どうしようか
『…………』
ミスラ「……無駄ですよ、抜け出そうとしても」
『一緒に寝てはいるじゃん。せめて離して』
ミスラ「嫌ですよ。あなた、離したら起きて逃げるでしょう」
『……はあ、もう分かったからさっさと寝て』
ミスラ「俺、寝れないって言ってますよね？」
『私と寝たら寝れるかもなんでしょ』
ミスラ「なら、寝させてくださいよ」
『はあ？』
ミスラ「早くしてください」
むちゃくちゃなこと言うじゃん
どうしたらいいんだ、寝かしつけるって……
…………あ、そうだ、頭撫でてみよう
『……』
ミスラ「……いいですね、なんだか寝れそうです」
『……そう？』
ミスラ「そのまま続けててくださいね」
『はいはい』
撫で続けるの結構しんどいんだけど
そのうち私の方が寝てそう
─数十分後
ミスラ「……ｽｩ……」
『……？』
寝た？もしかして
そろそろ寝よ、私も
──翌日
『……ん……』
ミスラ「…………」
『……まだ寝てるか』
なんだ、寝れるんじゃん
あー……でも、まあ……
『……酷いな、これ』
この隈が物語ってるか
さて、起きて朝食を取りに行こう
─食堂
賢者様「あ、おはようございます！ノワ！」
『おはようございます、賢者様。ネロ、1人分お願い』
ネロ「ああ、分かった。少し待ってろ」
ミチル「ノワさん、おはようございます！」
リケ「おはようございます、ノワ」
『ミチルもリケもおはよう』
オーエン「…………(ｽﾝｯ)」
『オーエン？何？』
オーエン「……ミスラの匂いがする」
『ん？ミスラの匂い？……そんな匂いする？』
オーエン「ものすごく。何かしたの？」
『何も。強いて言うなら、ミスラが奇妙な傷で寝れないからって私のとこに来たぐらい』
オーエン「ああ。それのせいか」
やっぱり男には分かるもんなのかなあ
よくわかんないや
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
