101話 ページ27
『それって、賢者様のお役目じゃなかった？』
ミスラ「賢者様にも一緒に寝てもらったんですけど、仮眠とれたぐらいだったんで。あなたとならどうかなと」
『……なんで？』
ミスラ「シンプルにあなたの匂いが好きで落ち着くから、ですかね？」
『は？きも』
ミスラ「は？殺しますよ」
いや、いきなり匂い好きとか言われてもきもいって感想しか出ないでしょ
そりゃあ、初心な人ならドキッとするのかもしれないけど
こんなけ生きてたら、何とも思わないし、むしろきもいという感想しか出ないんだけど
ミスラ「さっさとこっちに来てください。俺、寝たいんです」
『はあ、寝たらいいじゃん。私、まだ本読むから』
ミスラ「はあ？」
てか、正直いって、匂いが好きならベッドに私の匂い移ってるだろうし、それでいいでしょ
さて、私はどこで寝ようかな
適当にソファで寝たりしようかな
──数十分後
─ペラッ……ペラッ……
ミスラ「…………」
『…………』
すごくすごく見られてる
鬱陶しいぐらいには
ミスラ「ねえ」
『……何』
ミスラ「まだですか」
『だから、一緒には寝ないって』
ミスラ「どうして」
『どうもこうも……。私にはメリットがないから、とでも言えばいい？』
ミスラ「メリットならあるでしょう」
『ないよ』
ミスラ「ノワが好きだと言っていた俺と寝れるんですから」
『……はあ……それ、何百年前の話だと思ってるの？』
ミスラ「でも、ここ最近までは好きだったでしょう。あなた」
『だから、ここ最近がいつのことを指してるのか分からないんだって』
ミスラ「１００年前とか？」
『……あー、もう、それでいいよ。だとしても、寝ないよ。一緒には。ベッドは使っていいから。匂いならついてるでしょ』
ミスラ「あなたはどこで寝るんです？」
『適当にソファで寝るかする』
ミスラ「…………」
んー……本当は部屋から出て行ってほしいんだけどな
魔法で追い出そうと思えばいくらでも出来るけど
そこまでして追い出すのもどうかとは思うし……
何より寝れなくて苦しんでる人を追い出すのは、さすがの私でも気が引けるんだよな
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
