98話 ページ24
ミスラ「いや、俺のだって言ってるでしょ。俺はあの女より弱いなんて言われて、ケンカを売られてるんですよ」
オーエン「誰に言われたの、そんなこと」
ミスラ「この人です。ほら、起きて」
……これ、逃げられるくない？
まあ、いっか
面倒ごとには首突っ込みたくないし
行き倒れの旅人「う、うーん……。あ……。こんにちは。俺の愛称はひょうきんサミー」
オーエン「は？聞いてないけど？」
あ、逃げられた
スノウ「ミスラちゃん！オーエンちゃん！ケンカしてる間に……」
ホワイト「もういなくなっちゃったよ！」
ミスラ・オーエン「「は！？」」
『…はぁ……馬鹿だね、2人とも』
ブラッドリー「クソ！どこに行きやがった、あの魔女」
ミスラ「北の魔法使いが六人も揃って、たかが魔女ひとり取り逃したなんて、笑えませんよ」
オーエン「笑えないどころか、笑い者だ。おまえが僕の邪魔をするから」
『元凶は2人だからね、ほんと』
ブラッドリー「名誉に関わる。もう少し、探してみようぜ」
スノウ「いや、このあたりにはおらん。完全に気配が消えた」
…………ここの記憶を読んでみても、いないな、これは
夢の森外だと読めないんだよね、もう
追跡は特定の範囲から外れると出来ないから
ミスラ「じゃあ、どうするんです。こんな間抜けな報告、賢者様や魔法舎の連中にしたくないんですけど」
オーエン「僕も」
ブラッドリー「俺も」
『私も』
スノウ・ホワイト「「…………。内緒にしとこ」」
スノウ「黙っておればわからん」
ホワイト「魔女と会っていなければ、魔女を逃がしたことにもならんし」
ブラッドリー「あの女を捕まえてから、真実を話せばいいしな」
オーエン「うんうん」
ミスラ「そうですよ」
『私たちしか真実は知らないしね』
行き倒れの旅人「……この人たち、なんか……。……すごいダサい作戦練ってる……」
ミスラ「は？殺しますよ」
オーエン「いいんじゃない。目撃者は始末しても」
ブラッドリー「こらこら。俺の慈善活動に手を出すな」
『その慈善活動に私は疑問しか残ってないんだけど』
これ、本当に慈善活動？
私の知ってる慈善活動と違いすぎない、ちょっと
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
