囚われのノーチェに恋して#19 ページ14
ミア「黙れ、黙れ黙れ黙れ……っ！あれを石になど、させるものか……！あれは……私の……っ、……私だけの……！」
フィガロ「…………」
すごく熱烈な告白だな……
あんなに忌み嫌っていた恋を、まさかミアがしていたなんて
スノウ「ほほほ……。……さて、聞いておったかの。なかなか、情熱的な告白だったと思わぬか？」
ミア「な……。……いつから、そこに……」
ブラッドリー「悪いな。最初からだ。……気配を抑えていたとはいえ、こんなことにと気づけねえなんて、あんたらしくないぜ。しかも……。俺への情けなんざに振り回されて。こいつらに傷のひとつもつけられねえなんてよ」
ミア「っ、ぁ……。……あああ……ッ」
─数分後
ムル「みんなー！見つかったよー！」
ミチル「え……。見つかった……？」
賢者様「ミチル！よかった。目が覚めたんですね」
フィガロ「回復魔法をかけたけど、まだ無理をしちゃだめだよ」
ミチル「は、はい。すみません、フィガロ先生」
ミア「…………」
ブラッドリー「どうやら、勝負はついたみたいだな。今回の賭け、どっちが勝ったかはっきりさせようか」
ミア「……ああ」
─ミアの城・奥の部屋
賢者様「これは……」
ミチル「この、氷漬けになった木がベネデッタの樹……？」
ミア「ああ、そうだ。……すべて、暴かれてしまったな……」
ムル「そんなことないよ。俺はもっときみのことを知りたい！」
賢者様「ムル……？」
ムル「どうして、この窂を作ったの？どうして、作った窂をすぐ壊したの？あの時、一体何がきみの心を突き動かした？」
ミア「……貴様、何故それを……」
ムル……記憶読んだな、これ
ムル「孤高の北の魔法使いが、厳重な封印で隠していた秘密……。そのすべてを知りたくて、俺わくわくしてる！隠したのは知られたくないからだ。知られたくないのは、認めたくないから。きみは一体、何を認めたくない？ねえ、北の魔女ミア。あなたの心を、このぐちゃぐちゃの窂みたいに乱したものは何？」
ミア「…………。わた、しは……」
スノウ「ミアよ。あやつの問いかけに、耳を傾けすぎるな。言葉巧みに惑わして、心を暴いてくる。身を滅ぼすぞ」
ミア「……スノウ……。……まさか、貴様にそのような気を使われるとは。この猫のような魔法使い……。ただものではないな」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
