囚われのノーチェに恋して#18 ページ13
賢者者「なんでノワは平気なんですか……？」
『ああ。私は職業柄毒に慣れすぎて何も感じなくなっているので。それで平気なんですよ』
賢者様「なるほど……」
ミスラ「それで？お目当てのものはありました？」
ブラッドリー「ああ。半分見つかったってとこかな。あそこにあるのが、ベネデッタの樹だ」
賢者様「えっ……！そんな……。せっかく見つけたのに」
雑に手折られてるな
それにこの気配は……ミアか
ブラッドリー「かすかに、ミアの気配が残ってる」
賢者様「ミアさんの……？」
ブラッドリー「恐らく、蛇野郎たちを眠らせでもして奪っていったんだろう。意識が戻ったら縄張りにしてた木がこの状態だ。それで、あいつらは怒り狂っていままで暴れてたんだろうな」
ミスラ「……つまり？それならミアはこの木をどうしたんですか？」
ブラッドリー「さあ。そいつは本人しか知らねえ話だ」
『ミアの手にあるってことは間違いないね』
─パンッ、パンッパンッ
賢者様「いまのは……？」
ブラッドリー「さて、ミアの城に戻ろうぜ」
─ミアの城
ん？あれは……
スノウとフィガロとミアか
あらかたまたスノウとフィガロがミアの機嫌を損ねて、ここに連れてきたんでしょ
フィガロ「…………」
スノウ「動揺しておるな、ミア。そなたにとっては、心の奥深くに隠しておきたい情であったか」
ミア「……何の話だ」
フィガロ「同じ北の生まれのよしみで、最後の忠告をしてあげたんだよ。今のきみじゃ、そう遠くない未来に石になる。……この、北の大地で生きていくならね」
ミア「っ、おのれ……！どの口がそれを言う！他でもない貴様らが……。貴様らが私を、この地に縛り付けたのではないか！」
フィガロ「ホワイト様が、雪の上に這いつくばるきみの姿に何を見たのか……なんて、俺たちには知る由もないけど。きみは本来、あの時石になっていてもおかしくなかった」
スノウ「生き永らえたその命、またしてもいたずらに捨てる気か？」
ミア「……黙れ……っ！」
スノウ「……哀れな……」
フィガロ「ここまで言われても、こんな中途半端な吹雪だけで、きみは俺たちに手を出せずにいる。俺たちを殺せば、ブラッドリーの身が危うくなるのではと、頭では理解しているから。……そうだろう？」
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作者名：紅玲
| 作成日時：2024年2月15日 1時
