22人目の賢者の魔法使い3【魔法使いの約束】 (ページ12)

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囚われのノーチェに恋して#17 ページ12

ミチル「ミスラさん、ノワさん……！槍で体を刺そうとしても効きません！蛇の体を丸ごと一気に攻撃できる魔法を使ってください……！」

ミスラ「ギリギリですね。まあ、あなたにしては上出来です」

『いいね。ちゃんと成長してるよ、ミチル』

ミスラ「《アルシム》」

『《ルナ・ルーキス》』

─ヒュオオオオ、パキッパリンッ

ミチル・賢者様「「やった……！」」

賢者様「すごいですね、ミチル！まさか大蛇に、あんな特徴があったなんて！」

ミチル「えへへ……。さっき群れで飛んでいた鳥たちが、一羽の大きな鳥みたいに思えて……。それで、もしかしたらって思ったんです。ボクの攻撃はミスラさんやノワさん、ブラッドリーさんみたいに強くないから、避ける必要がないでしょう？だから、体に当てられたら、何か違うことが起きるんじゃないかなって」

ブラッドリー「合格だ、南のちっちゃいの」

『理解するのが早くなったね、ミチル。色んな視点から相手の特徴を考えるのは、強くなるために第一歩だよ』

ミチル「やった！ありがとうございます！」

ミスラ「ええっと、少しは役に立ったんじゃないですか。南の魔法使いにしては」

ミチル「もう、ミスラさん。褒めるなら、もっとちゃんと褒めてください！」

ミスラ「褒めてるじゃないですか。よくやりましたって」

ミチル「……えへへ。やったあ──」

─ドサッ

ブラッドリー・ミスラ・ノワ・賢者様「「『「ミチル！？」』」」

ミスラ「ちょ、ミチル！？あの毒、浴びたんですか！？」

賢者様「大丈夫ですか、ミチル！」

ミチル「ん……。すう……すう……」

ブラッドリー・ミスラ・ノワ・賢者様「「『「…………」』」」

ブラッドリー「ははっ。疲れて寝ちまったみたいだな」

『いつもより魔力も集中力も使ったからだろうね』

賢者様「はあ……。よかった……」

ミスラ「まったく……。脅かさないでくださいよ。それにしても、これくらいで倒れるなんて、まだまだ鍛え方が足りませんね」

ブラッドリー・賢者様・ノワ「「『…………』」」

嘘でしょ……

ミスラの基準に合わせたら誰でも死ぬって……

ミスラ「なんです？皆して、変な目で見て」

ブラッドリー「いや。ノワはまだしも、あの毒を浴びても、ぴんぴんしてるてめえに言われるとなあ……」