22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ48)

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囚われのノーチェに恋して#3 ページ48

ネロ「ただでさえ、ベネデッタの樹は北の国にしか生えてねえ、見つけるのすら大変な希少種だっていうのによ」

ラスティカ「だからこそ、その実の味だけでなく、手にする過程が皆の心に色濃く残るのでしょうね。そうして呼び名が次第に広まった。恐ろしい魔物を倒した者だけが口にできる、勝利の木の実……と」

ミスラ「……もぐ。ふうん。甘ったるいお菓子にしか思えませんけどね」

『……話、聞いてた？』

ミチル「わ！ミスラさん！それは木の実じゃなくてチョコレートなんです……！」

ミスラってこういう話、だいたい聞いてないよね

そもそも物事に対する関心が薄いんだろうけど……

ラスティカ「あはは。この辺りで僕らも食後のデザートとしましょう。ブラッドリーの帰りを待ちわびながらね。言葉を重ねていけば、時の流れもきっと早く感じます」

賢者様「はい……！ありがとうございます、ラスティカ。ネロのミルクと一緒にいただきますね」

……ん？なんか、聞こえる

フィガロ「──ですから、遠慮させてもらいますって」

スノウ「フィガロちゃんの恩知らず！オズちゃんが討伐に出てて、そなただけが頼みなのに〜！」

ミチル「この声……。フィガロ先生とスノウ様？」

ネロ「なんだか揉めてるみたいだな」

賢者様「おはようございます、二人とも。いったい何があったんですか？」

スノウ「おお、賢者。聞いてくれるか。討伐依頼書じゃ。氷の街のさらに北の雪原で、魔物が暴れているらしい。大蛇のような見た目で、かなり厄介な強さだと聞く。それゆえ、北の魔法使いたちを向かわせたい。しかし、ブラッドリーが不在じゃろ？その代理をフィガロに頼んでいたところなのじゃ」

ミスラ「へえ、そうなんですか。ブラッドリー代理、頑張ってくださいね」

『フィガロが行くなら、別に私たち行かなくていいよね』

フィガロ「まだ行くとは言ってないし、おまえたちはメインで行くんだよ」

……もう、めんどくさいって

よりにもよって、フィガロが一緒とか……終わってる

ミチル「あの……ブラッドリーさんがいなくても、ミスラさんとオーエンさんとノワさんはものすごく強いですよね。それこそ、どんな恐ろしい魔物にも負けないくらい。なのに、どうしてフィガロ先生まで？……フィガロ先生は、南の魔法使いでしょう？」