22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ35)

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84話ページ35

オーエン「……それで、一体何の用事？」

『今日、死者が蘇るんだってさ』

オーエン「へえー。楽しそうだね」

『トビカゲリも蘇るらしい』

オーエン「へえー」

『で、止めるのに協力しろって話』

オーエン「やだよ。僕は惨状になってるのを楽しみにしてるんだから」

『……だよね。じゃあ、もういいや。』

オーエン「……ちょっと。もう行くの？」

『行くよ。そろそろ日が暮れる。死者が蘇り出す。オズが魔法を使えなくなるから、代わりに私が行かないと』

オーエン「…………」

何か考え込んでる……

時間がないから、早く行きたいんだけど

オーエン「……まあ、気が向いたら協力してあげてもいいよ」

『そう。じゃあ、気が向いたらよろしく』

オーエン「あ、後、奇妙な傷のこと、誰にも言うなよ」

『言わないよ』

……街に向かう前に一応双子先生に言っとくか

─中庭

『スノウ、ホワイト。賢者様』

スノウ「おお、ノワ」

ホワイト「どうじゃった、オーエンの方は」

『気が向いたら協力するってさ。まあ、あんまり期待できないけど』

賢者様「なら、少しは安心ですね」

スノウ「そうじゃな。しかし、ノワ。どうやってオーエンにそう言わせたんじゃ？」

ホワイト「脅したりしたのか？」

『しないよ。私が街に向かおうとしたのを止めて、理由を聞いてきたから、シンプルにオズが魔法使えなくなるし、私が代わりに行かないとって言ったらどことなく腑に落ちたらしい』

ホワイト「流石じゃのう、ノワ」

スノウ「流石、我らの弟子じゃ」

賢者様「えっ、スノウとホワイトの弟子！？」

『……とりあえず、行くから。街に』

……スノウ、ホワイト……

勝手にばらしやがって……

賢者様にはバレたくなかったのにな

──街・数十分後

……あいつがノーヴァか

ノーヴァ「これで最後だ」

ルチル「…………っ」

ミスラ「《アルシム》ルチル。この空間の扉から逃げてください」

ルチル「ですが……」

ミスラ「いいから、急いでください。どうか、死なないで。それに、ノワも来ましたからご心配なく」

『……さっさと逃げて』

ルチル「……っ、わかりました……！」

ノーヴァ「……月の石を返してもらおうか」

ミスラ「ルチルは戻ってきませんよ。これで戦いやすくなりました」