22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ30)

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79話ページ30

ヒースクリフ「……なんだかんだ言いながら、普通にお茶いれさせるもんなあ。実家だったら、召使いが飛んでくるよ」

カイン「なんだ？」

ヒースクリフ「はは、なんでもな……。…………！」

シノ「どうした？」

ヒースクリフ「今、窓の外に誰かいなかった？」

『いたね。……多分、オーエン』

カイン「そう言われても、俺には見えないからな……。…………！見えた……。……っ」

ヒースクリフ「どこ行くんだ、カイン！？剣なんか持って……」

カイン「俺に見えるのは奴しかいない！」

ヒースクリフ「奴？」

カイン「ノワの言った通り、オーエンだ。…………！」

あ、賢者様だ

カイン、気配に気づいてなかったのか

賢者様「あ……。ごめんなさい、ノックもしないで。驚かせてしまいましたか？」

カイン「その声は賢者様か？」

賢者様「はい。握手……。これで見えますか？」

カイン「ああ。気をつけてくれ。魔法舎にオーエンが来ている。中庭の方を見てくる」

賢者様「私も一緒に行きます！」

──数十分後

……なんか、オーエンの雰囲気おかしくない？

雰囲気どころか、表情自体も違う……

一体何があったら、こうなるんだ？

シノ「ああ、白目が傷ついてるな。目薬をさしてやる。こっちを向け」

オーエン「ばあ」

シノ「舌は出さなくていい」

オーエン「目薬こわい？」

シノ「朝飯前だ」

オーエン「びゃっ……！」

シノ「悪い。ずれた」

オーエン「……目薬もうやだ……」

シノ「萎えるな」

……やっぱりどう考えても、様子おかしいよね

通常のオーエンなら、シノ触れさせもしないだろうし

ヒースクリフ「すごいな……。あのオーエンがシノに目薬さされて、大人しくしてる……」

カイン「見てるだけで、頭がどうにかなりそうだ……。一体、なんでこんなことになったんだ？」

オーエン「騎士様、騎士様」

カイン「……なんだ？」

オーエン「目薬頑張るから、見てて」

カイン「…………」

ヒースクリフ「懐かれてるね……」

カイン「意味がわからない……」

『………もしかして……』

これがオーエンの＜大いなる厄災＞の奇妙な傷？