22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ24)

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73話ページ24

スノウ「オズよ。なんとか言わんか」

ホワイト「賢者の魔法使いたちを率いるのは、そなたしか適任はおらん」

オズ「…………。おまえたちを力で従えることは出来る。だが、おまえたちの意思をひとつに総括することは出来ない。する必要もないだろう」

カイン「だけど、このままじゃ、俺たちはバラバラになっちまう。バラバラになったっていい。俺だって自由にやる方が性に合う。だが、こんな解散の仕方は胸糞悪いだろ」

ネロ「無理だよ、騎士さん。結局、俺たちは、誰かと一緒にはいられないんだ」

カイン「ネロ……」

ネロ「魔法使いはつまはじきものだ。長い間、そうだった。ひとりで生きる方法はいくらでも身につけてる。逆は、学んだことも、学ぶ機会もなかった。だから、誰かと一緒にいても、すぐに限界がきて、だめになっちまう。誰もが身に覚えがあるだろ。
かわいそうって言われたって、自分を哀れに思う夜があったって、無理なもんは、無理なんだよ。向いてねえんだ……。この世界と、繋がって生きることに」

『…………結局私たち魔法使いの行きつく先は孤独、ってことだよ』

仮に人間と仲良くしたって、人間の方が死ぬのは早い

どう抗っても寿命は禁忌の術を使わない限り変えることはできない

どう頑張っても私たちの未来は孤独なんだ

レノックス「……ルチル、大丈夫か？」

ルチル「中央の街は、たくさん、人がいるなと思って……」

ブラッドリー「は？何言ってんだ。南の魔法使いはのん気だな」

ルチル「南の国にはこんなに人がいませんでした。山や、森や、荒野ばかりで……。日が沈むと、真っ暗になってしまう。だから、長い道を歩いて、ようやく、人の姿が見えた時には、知らない人でも嬉しくなるんです。人でも、魔法使いでも、嬉しいんです。いい天気ですねとお喋りをするし、困っていたら、お手伝いをします」

「中央の街は人がたくさんいて……。狭い道を、大きな荷物を担いで、ぶつかりそうになりながら歩いてます。みんな、同じ速度なら、らくちんだし、みんな、同じ方向に進むなら、すいすい、目的地まで行けるけれど……。目的地も、歩く速度も、体の大きさも、みんな、ばらばらなものだから、ぶつかって、邪魔しあって、進んでく。
まるで、今の私たちみたいだなって」

ネロ「…………」