22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ17)

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66話ページ17

フィガロ「嘘。勉強し直しだな。怖がらせるつもりはなかったんだ。ごめんね。とにかく、今回みたいなことは、これきりにしてくれよ。……さて。ミスラたちの相手だっけ？」

ミスラ「嫌な男が出てきましたね……」

フィガロ「俺だって嫌だよ。おまえもオーエンも手強いし。もう、年なんだからさ……」

アーサー「フィガロ様は若々しいですよ！」

フィガロ「ありがとう、アーサー。健気な声援があるなら、フィガロ様、頑張っちゃおうかな」

自分でフィガロ様とか言うんだ……

……ちょっと……引くわ……

ミチル「フィガロ先生ー」

ルチル「フィガロ先生いますかー？」

フィガロ「なーにー？」

え、いきなり声変わるじゃん

猫かぶりすぎでしょ……

ミチル「ケーキが出てきましたよ！」

ルチル「フィガロ先生の大好きな、栗がいっぱい乗ってました！一緒に食べませんか？」

フィガロ「やったー！食べる食べる！」

オズ「…………。おまえ、自分の生き方に疑問はないのか」

フィガロ「やかましい。……というわけだ。力になれなくて悪いな」

オズ「……栗のために立ち去るのか？」

フィガロ「栗なんて商人を襲えば手に入る。あの子たちの真心に応えるためさ。俺は善良で優しい男だから」

『……商人襲えばいいって言ってる人のどこが善良？』

フィガロ「うるさいよ、ノワ。オズ、おまえもミスラと仲良くしろよ。ケーキを分け合ったりしてさ。友情や愛情はいいものだよ」

ルチル「フィガロ先生、賢者様たちとお話していたんですか？」

フィガロ「大丈夫。もう終わっ……」

ルチル「良かったら、みなさまの分も、こちらに運びましょうか？切り分けてきますよ」

ルチル……人が良すぎない……？

賢者様「あ、いえ、私たちは……」

オーエン「ケーキがあるんだ？」

賢者様「わっ……！急に真後ろにいるからびっくりしました」

オーエン「食べようかな」

ルチル「では、お持ちします。ええと、オズ様とアーサー様とミスラさんとノワさんは？」

オズ「いや」

アーサー「私は結構だ」

『私も大丈夫』

ミスラ「ホタテの殻以外のものなら食べます」

アーサー「やっぱり、美味しくなかっただろう」

ミスラ「前に同じ形のものを食べたら、甘くて柔らかくて美味しかったんですけどね。収穫時期によって味が違うんでしょうか」