22人目の賢者の魔法使い2【魔法使いの約束】 (ページ16)

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65話ページ16

オーエン「背中がかゆい時に使う」

ミスラ「それは便利ですね」

『……自分でかけるでしょ、背中ぐらい』

オーエン「後、頭を撫でてもらう」

アーサー「今やってもらえばいい！オズ様はしてくださるぞ。私も小さい頃に、何度も……」

オズ「アーサー……。アーサー、もういい。黙っていなさい」

アーサー「ですが、オズ様……」

オズ「…………。《ヴォクスノク》」

……フィガロを呼んだ

ってことは、弱い魔法なら使えるのか

フィガロ「あれ？オズ、おまえが呼んだのか？」

オズ「……ふあぁ……。弱い魔法なら、なんとか使えるようだ……。……だが……、眠い……」

フィガロ「こら。人を呼びつけて欠伸するな」

オズ「一時的に魔力を失っている。ミスラとオーエンからアーサーを守れ。おまえなら出来るだろう。フィガロ」

フィガロ「…………」

賢者様「……フィガロなら出来る……？南の魔法使いたちは、力が弱いんじゃないんですか……？」

オズ「フィガロは北の魔法使いだ。私より長く生きている」

賢者様「え……！？」

賢者様、めっちゃ驚いてるなあ

まあ、それもそうか

南の魔法使いだと信じてたフィガロが実は北の魔法使いだ、なんて言われてるんだから

フィガロ「おまえさあ……。こうやって毎回、俺のスローライフを邪魔するのは止めてくれないか？」

オズ「スローライフとは」

フィガロ「のんびりした平穏な生活だよ。前の賢者様から聞いたんだ。いいか、オズ。俺は善良な一般市民でありたいんだよ。南の国で俺はただのちょい悪オヤジなんだ」

オズ「ちょい悪オヤジとは」

フィガロ「ルチルやミチルは俺の過去を知らない。フィガロ先生は何もできないんだから、なんて言ってくれるんだよ。最高だろ？」

アーサー「フィガロ様は何でも出来る方ですよ！」

フィガロ「ありがとう、アーサー。相変わらずアーサーはかわいいね。偏屈な男に育てられたっていうのに。ああ、賢者様にも知られちゃった。頼りない青年風味で、素朴に迫ってたのに」

オズ「賢者に迫ったのか……」

アーサー「賢者様に迫ったんですか？」

『賢者様……変なことされてませんか？』

賢者様「あの、頼りない青年風とか素朴ではありませんでした……。ちゃんと迫力あって怖かったです……」