VΔLZの紅一点が新たに大切な人を見つけるまでのお話【2j3j】 (ページ17)

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甲「……柚羽って、昔からあんなにたくましかったっけ」

『え、何。藪から棒に』

甲「いや、模試訓練の時に自ら前線に出るって言ったじゃん？だから、たくましいなぁって」

『んー、まあ、それぐらいしか私に出来ることないしね』

甲「そんなことないって。実際に僕が指示する前には動いてたでしょ」

『まあ、立ち止まってる訳にはいかないしね』

でも、本当に私には人を守ることしか出来ることがないからね

せっかく私には魔力ってものがあるんだから

無駄にする訳にはいかないんだ

甲「……あ」

『何？』

甲「この花さ、覚えてる？」

『この花……？』

この花って…シオン、だっけ

そういや晴が引っ越す前にもらったような…？

甲「僕が引っ越す前に渡した花。この花の花言葉は君を忘れない」

『……』

甲「ちゃんと覚えてたでしょ？(ニコッ)」

『！…うん』

晴は幼い頃の彼のようにふわりと笑った

笑顔はあの頃と変わってないんだな

甲「確かあの時、柚羽が僕と離れたくないってずっと泣いてたんだっけ」

『…掘り起こさないでいただいて？』

甲「でも、かわいかったなぁ、あの時の柚羽」

『…あっそ』

甲「もちろん今もかわいいと思ってるよ」

『…そんなの言って恥ずかしくないの？』

甲「柚羽相手なら別に恥ずかしくないよ」

『……』

あれ、晴ってやっぱり人たらし？

よくもこんな恥ずかしいセリフがスラスラと出てくるよなぁ

私なら絶対無理だわ

─コツコツ

長「お！こっちこっちー！！」

弦「柚羽、見れてなかった花見れた？……って、顔赤いよ？大丈夫？」

『大丈夫。ちゃんと見れたよ』

弦「そっか。体調悪かったりしたらちゃんと言うんだよ？」

『うん。それにしても…ここって季節関係なく花、咲いてるよね』

長「あ、確かに春なのにひまわり咲いてたわ」

甲「確か、ここって魔力が使われてるからそれの影響だと思うよ」

弦「でも、魔力をこういう植物に使うのって高難易度だったよね」

『あー、確かに与えすぎちゃったり、与えなさすぎちゃったり調整が難しいって聞くね』

そういうことなのかぁ

ここがあること自体初めて知ったし、そんなこと本当にやってる所があるなんて驚いたな