宣告 ページ5
『な、なに？』
｢それはアンドルーさんから聞いた方がいいんじゃないかしら？｣
｢は、はぁ...！？なんで僕が...｣
1年経って、エミリーも段々アンドルーさんの扱いに慣れているような気がする。
それよりもアンドルーさんが言いたくない理由って...。
｢仕方ないわね｣
エミリーは楽しげに溜息をついた。
楽しげに溜息って大分矛盾していると思うけれど、本当に｢やれやれ(笑)｣みたいな感じで溜息をついたのだ。
｢昨日のレースにはルカさんもいたの｣
『ルカくん？』
ルカくん。
天才発明家の囚人、ルカ・バルサーだ。
ルカくんとは飛行機の整備やらでいろいろお世話になっている後輩だ。
『それが何の理由に___え』
言いながらアンドルーさんの方を見ると、彼は信じられないくらい顔が赤くなっていた。
茹でダコ！？と聞きたくなるくらい(多分聞いたらキレられる)だった。
｢ルカさんも結構あなたのことを心配していたのよ。ここで寝てたらルカさんがお見舞いに来て、アンドルーさんの入る隙が...｣
エミリーがそこまで言うと突然アンドルーさんに腕を掴まれた。
｢...し、失礼する！｣
『は！？ちょっと待って！？』
そのままアンドルーさんに連れられ医務室を退室させられる。突然のことに私はエミリーに向かって助けを乞うしかなかった。
『な、なに！？ぎゃぁぁぁ！！助けてエミリィィ！！』
さながら誘拐されているような気分だった。
＊
『どうしたの！？結局なんにも分からなかったんですけど！？』
｢べ、別にお前は...知らなくていい...！｣
ふりだしに戻る。
またアンドルーさんの部屋に連れ戻されてしまった。
物凄い剣幕でそう詰め寄られたら引くしかないけどさ。
『...いいけどね。この部屋落ち着くし』
｢本当に遠慮ないな...｣
アンドルーさんの言う通り、私は本当に遠慮なく彼のベッドの上に横になった。
確かにまだ、少しだけだが頭がズキズキとするような気がする。
そう思いながら窓から見える青空を見ていると、またぼんやりと眠気に誘われて_
＊
｢アンドルーさん、いるかしら｣
ドアを叩く音が聞こえた。この声は恐らく医師のエミリー・ダイアーだろう。
｢...なんだ｣
｢あ、別に冷やかしとかじゃないわよ？｣
ダイアーはそう言って笑う。いや分かってるが？と言い返したくなったが堪えた。
__でも、彼女の次の句が
｢単刀直入に言うわ｣
___僕にとって
｢貴方に、教育係をお願いしたいの｣
大きな錘になるなんて。
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怜(プロフ) - yuさん» ありがとうございます！読み返しもしていただけていたなんて....！嬉しいです！のんびり更新ですがよろしくお願いします...！ (2021年8月30日 17時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
yu(プロフ) - 空に生き埋めすっっごい大好きで読み返しもしてたので続編嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2021年8月29日 21時) (レス) id: 96a71449d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2021年8月27日 22時
