帰還 ページ6
｢よ、おかえり｣
荘園へ戻りサバイバー館のエントランスホールを歩いていると、後ろからナワーブの声が聞こえた。
｢...あぁ。ただいま｣
｢3吊りかぁ。リッパーも容赦ないよな｣
僕が応えると、ナワーブは早速さっきの試合についての話題を持ちかける。
彼は最初に飛んでしまったのに、落ち込むどころか寧ろ全然平気そうな顔をしていた。
ピアソンさんの方がヘコんでそうだなとぼんやり思いながら、そうだね、と僕は適当に頷いた。
｢なぁ、ということはお前、アイツの姿見たか？｣
｢アイツ？リッパーのこと？｣
｢なんでだよ。アイツだよ...神鬼｣
ナワーブは興味津々な顔をしているが、正直僕は"あぁ、あの子か"くらいの感想しかない。
｢見たけど｣
｢おぉ！どんな子だった！？｣
｢...ナワーブが好きそうな感じ｣
｢マジで！？｣
適当に言ってみただけだが、ナワーブは背中から羽が生えてくるくらいの歓喜具合だった。
｢不思議だよなぁ。神鬼のAが来てからひと月ほど経つのに未だに誰も姿を見たことがなかったんだから｣
｢案外すぐそこにいたりして｣
そう言うとナワーブはキョロキョロと辺りを見渡した。いや、これも適当に言っただけなんだけど。
｢なんでお前はそんなに冷めてるんだよ。多分、お前が初めてなんじゃないか？神鬼の姿見たの｣
｢そう？実は誰か見てたりしないかな。イライとか｣
｢あー、それはあるかもな｣
僕は他人のことにはあまり興味が無い。
神鬼の彼女だって、こんな僕のことは記憶から今すぐに消したいはずだ。
荘園で初めて目視された人間が僕だなんて、同情してしまう。
＊
『ッッハァ゛〜〜〜.....』
｢相変わらず品の無い声だ。君はそれでも神様か？｣
『ひ、ひどいよ。私だって疲れてるときは無意識にこうなっちゃうんだもん』
温かいミルクティーを手にしながら、私は机に額がすり減るくらい突っ伏していた。
向かいの席で写真家のジョゼフが眉をひそめていつもの嫌味を言う。
いや、嫌味というよりかは全然正論なんだけど。
サバイバー館にいても居場所がない私は、試合外の時間の殆どを敵であるはずのハンター館で過ごさせてもらっている。
『...それより、ジャックは？』
｢知らないが。もうそろそろ来るんじゃないか｣
ツーンとした態度で、ジョゼフは紅茶を手に取った。
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怜(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！！沙羅さんのコメントが嬉しくて私も毎回栄養補給させて頂いてます(？) 他作品の方はこれからも続くので、どうか末永くよろしくお願いします...！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 完結おめでとうございますとお疲れ様です…！どんな結末になるんだろうと色々妄想(？)してたのですが、ちょっと切なくて甘い感じ、好きです…！今回も栄養補給させて頂きました(ｴﾍﾍ)、ありがとうございます…！！喫茶店の方も楽しみにしてますね！ (2020年6月24日 21時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - ゆったり更新で大丈夫ですっ！気長に待ってますっ！！ (2020年6月17日 4時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ?mi?さん» ありがとうございます...！ゆったり更新ですがどうかよろしくお願いします！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてますっ！！ (2020年6月16日 3時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年6月6日 16時
