身命 ページ23
試合は刻々と進んで、残り解読機は1つ。
イソップさんがいなくなり、ナワーブさんは負傷状態。
そしてノートンさんがチェイスをしている。
先程写真世界が崩壊して、ナワーブさんと解読している解読機の進捗度がまた少し減ってしまった。
｢ノートン、頑張ってくれ...！｣
ナワーブさんは一生懸命解読機の調整に挑んでいる。治療させてほしいけれど、本人はそれに夢中で私が袖を引っ張っても気が付かなかった。
本当に姿が見えないって不便だ。
【早く逃げて！】
『あ！』
その定型文が送られてきた瞬間にノートンさんはダウンしてしまう。レッドカーペットのあたりだ。
次は私が救助に行かなきゃ。
『私が助ける...！』
ナワーブさんの居場所がバレたら大変だから、残り1つしかない鈴は鳴らさないでおく。
駆け出した私にナワーブさんは少し驚いたような顔をしたけれど、【ありがとう！】と定型文を送り返してくれた。分かってくれたみたい。
この前の試合は、助けられなかったから。
今度こそは絶対に助けるよ。
もっと貴方に認知されたい！
そんな私欲も織り交ぜながら椅子へ猛ダッシュする私。
｢...来たな｣
薄ら笑いを浮かべるジョゼフ。
...勝負だ。
解読機は残り1つ。写真は撮られてないし、ゆっくり駆け引きが出来る。
ノートンさんの視点を考えると、ジョゼフが見えない空間にサーベルを振りまくってる不思議な光景にしか見えないだろうけれど。
何度か近付いては離れを繰り返していると、ジョゼフが私のタイミングとは1歩遅れて動いた。
__今ならいける！
ノートンさんを縛る縄に手をかけて、素早く解いて__
｢さぁ、終わりだ｣
耳元で聞こえたジョゼフの声。
背中に受ける微量の痛み。
ジョゼフの方が1枚上手だったようで、恐怖の一撃をくらった私はその場へ倒れ込んだ。
__けれど。
『...！』
マップ中にサイレンの音が響き渡る。
通電した！
私は急いでノートンさんを解放させた。
でも、喜んだのも束の間。
｢逃がさない｣
ジョゼフは短くそう言って軽く腕を振る。
ダメだ...！
思わず目を閉じると、すぐ側でドサ、と誰かが倒れる音がした。
『え..！？』
そこにいる全員__"私を庇った"ノートンさんでさえ、驚いた顔をしていた。
ダウンしたノートンさんには目もくれず、ギラリ、と真っ赤な両目が私を捕らえる。
｢早く、逃げて...！｣
ノートンさんのか細いその声に弾かれるように、私はその場から走り出した。
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怜(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！！沙羅さんのコメントが嬉しくて私も毎回栄養補給させて頂いてます(？) 他作品の方はこれからも続くので、どうか末永くよろしくお願いします...！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 完結おめでとうございますとお疲れ様です…！どんな結末になるんだろうと色々妄想(？)してたのですが、ちょっと切なくて甘い感じ、好きです…！今回も栄養補給させて頂きました(ｴﾍﾍ)、ありがとうございます…！！喫茶店の方も楽しみにしてますね！ (2020年6月24日 21時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - ゆったり更新で大丈夫ですっ！気長に待ってますっ！！ (2020年6月17日 4時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ?mi?さん» ありがとうございます...！ゆったり更新ですがどうかよろしくお願いします！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてますっ！！ (2020年6月16日 3時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年6月6日 16時
