怨霊 ページ15
治療をなんとか終えて立て直した私たち。
暗号機は残り1つ、イソップさんのやりかけを一緒に回せばなんとか...。
｢...失礼｣
『はい？...んに！？』
彼の方へ振り向くと両手でそれぞれの頬を押さえられる。
そのまま訳も分からずジロジロと顔面を見られている私。
『な、なにひへ...』
｢初めて見る顔でしたので。納棺するときに手惑わないようにしないといけませんから｣
どうやら化粧をするための凝視だったらしい。
それにしても驚いた。初対面の人にはそうやって顔面を細かく見てるのだろうか...。
｢...まるで死人のような顔色ですね｣
『何か言った？』
｢いえ｣
やっぱり声は小さめで聞き取れず、耳を澄ませてみるもいいから解読しろ、と目線で圧をかけられる。
＊
通電し、ゲートに向かおうとすると心音がした。
赤い目を光らせ、やっと見つけたと言わんばかりの獰猛な雰囲気を纏うハンター__ロビーは、無邪気そうに軽快なステップでこちらへ近寄る。
『わ、私が囮になるので！イソップさんはゲートを！』
神鬼の彼女は言うが早いかその場で鈴を鳴らし、ロビーとのチェイスに入る。
僕はその隙に遠い方のゲートへ行き、棺を立てた。
先程覚えたばかりの彼女の顔を描く。
青白い肌、ハイライトの弱い死んだような瞳__対称的な綺麗な髪。
__とてもではないが、サバイバーにしてはおぞましい見た目だ。
納棺が完了した丁度、彼女の蘇生が始まった。ナイスタイミングだ。
『うわ...！』
｢わ...っ｣
棺から押し出された彼女はその場で転ぶ。
...割とドジ_いや、"おっちょこちょい"なのかもしれない。
『あ、ありがと...！』
｢いえ。早く出ましょう｣
その時、彼女の後ろから怨霊の玉が見えた。
｢...！｣
『うわ！？...わっ！？』
思わず彼女の腕を引き寄せると、驚いた顔をした彼女は振り返ってその怨霊の玉を見た。
『え...っ、火...？火の玉....』
｢危ないですよ、早く出ましょう｣
｢火...が...｣
すぐそこにロビーがいる。
彼女の腕をさらに引こうとするが彼女は動かなかった。
｢何してるんですか...！｣
『....』
痺れを切らして彼女を見ると__
彼女は何故か大粒の涙を零して泣いていた。
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怜(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！！沙羅さんのコメントが嬉しくて私も毎回栄養補給させて頂いてます(？) 他作品の方はこれからも続くので、どうか末永くよろしくお願いします...！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 完結おめでとうございますとお疲れ様です…！どんな結末になるんだろうと色々妄想(？)してたのですが、ちょっと切なくて甘い感じ、好きです…！今回も栄養補給させて頂きました(ｴﾍﾍ)、ありがとうございます…！！喫茶店の方も楽しみにしてますね！ (2020年6月24日 21時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - ゆったり更新で大丈夫ですっ！気長に待ってますっ！！ (2020年6月17日 4時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ?mi?さん» ありがとうございます...！ゆったり更新ですがどうかよろしくお願いします！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてますっ！！ (2020年6月16日 3時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年6月6日 16時
