回想 ページ13
明らかに目の前にいるジャックは私に対して腹を立てている。
いや、厳密に言えば拗ねている。
｢それで？段々お茶の時間もジョゼフさんと2人きりになってしまったのですが？｣
｢何が不満なんだ｣
ジョゼフは相変わらずのしれっとした顔でそう流す。
確かに最近、イライさんとのコミュニケーションでナワーブさんとも会話ができるようになった(全然時間がかかるしチグハグだけど)し、ノートンさんは...なんだか興味無さそうに1人でいることが少し寂しいけど。
そんなこんなでサバイバー館で過ごす時間が増えて、あまりジョゼフとジャックとのお茶会にも顔を出さなくなっていたわけだ。
ジャックは紳士的だけどこうやって拗ねるところがまたギャップだよね。
『寂しかった？』
｢別にそうでもないですが。サバイバー館に迎えに行って強制参加させようとは思っていましたけど｣
｢寂しかったって言ってるようなものじゃないか｣
ジョゼフの突っ込みに思わず微笑んでしまう。
私はサバイバー館で友人が増えたことを彼らに伝えた。
｢良かったじゃないか。やはりあの天眼は脅威だな｣
『ハンターにとってはそうだけど、でも私にとっては救いだったよ』
拗ねるジャックを後目にして、ジョゼフと私はそのままサバイバー館での話に花を咲かせていた。
＊
地面に叩きつけられた細い棒の音、続いて波紋を描くように広がる鈴の音色。
普通の鈴にしては一癖も二癖もある。
｢...｣
やっぱり、どこかで聞いたことがある。
ナワーブがいう"懐かしい感じ"に感化されていると言われてしまえばそれまでだと思うが、やはりあの音は唯一__僕が昔から聞いてきた音ではないのか。
｢...いや、有り得ないな｣
きっと違う。
絶対に違う。
...恐らく、違う。
____違うものであってくれ。
それは半ば願望のようなもので。
僕があの頃丁寧に拝んできた鉱山の神様...彼女が、僕の初恋だったから。
視えない彼女に恋をし、長年愛してきたのに、やっとさらけ出せた僕の姿はどうだ。
痛々しいケロイドに死んだ目、火傷の痕。オマケに不安定な状態で日々を送っている。
こんな僕を受け入れる神など存在しない。
もし彼女があの時の神様で、こんな僕を覚えてくれていたのなら。
そのときは、くたびれて薄くなった愛がまた芽生えるのかもしれない。
｢...そんな話、ある訳ないけれど｣
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怜(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！！沙羅さんのコメントが嬉しくて私も毎回栄養補給させて頂いてます(？) 他作品の方はこれからも続くので、どうか末永くよろしくお願いします...！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 完結おめでとうございますとお疲れ様です…！どんな結末になるんだろうと色々妄想(？)してたのですが、ちょっと切なくて甘い感じ、好きです…！今回も栄養補給させて頂きました(ｴﾍﾍ)、ありがとうございます…！！喫茶店の方も楽しみにしてますね！ (2020年6月24日 21時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - ゆったり更新で大丈夫ですっ！気長に待ってますっ！！ (2020年6月17日 4時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ?mi?さん» ありがとうございます...！ゆったり更新ですがどうかよろしくお願いします！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてますっ！！ (2020年6月16日 3時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年6月6日 16時
