鼠色を超え−izkm− ページ5
izw side
kwkmさんが登場します。
俺は今、後悔の念に蝕まれている。
それが常に頭の片隅に存在するから、
何をしていても何処か上の空で。
何故、こんな状況になったか。
原因は、昨日に遡る。
昨日は、仕事が早く終わったため、
久しぶりに川上の家でお家デート。
俺の家じゃないのは、お察しの通り汚いから。
駅で落ち合い、
途中のコンビニでつまみと酒を買って、
家まで肩を並べて歩く。
最近はお互いに忙しくてあまり会えなかったから、
一緒に過ごせることがただ嬉しくて。
その気持ちが溢れてか、饒舌さに拍車がかかる。
結局、歩いている間は喋り倒した。
俺が滝のように話す話を、相槌を打ったり
時折笑みを浮かべたりして聞いてくれる、
そんな川上が愛しくてたまらない。
家に着いてからは、
乾杯をして、今度は川上の近況を聞いて。
2人で笑って、話して、飲んで、
楽しいひと時を過ごしていた。
だが、ふと溢した本音で空気が一変する。
「川上は俺といて幸せ？」
それを聞いた川上の顔から笑顔は消え、
一気に張り詰めた空気に様変わり。
「どうしてそんなこと言うんですか？」
「え…、いや、その…。」
突然のことに、俺は言葉を詰まらせる。
だが、それが逆効果だったらしく、
「伊沢さんのそういうところ、嫌いです。」
“嫌い”
その言葉が恐らく本心でないと頭では理解している。
でも、心はそう言われたことが、
言わせてしまったことが悲しくて。
「すまん。今日は帰る。」
空気に耐えられなくなった俺は
そう言い残して家から出た。
家に帰っている間は、脳内反省会が繰り広げられる。
何故あんなことを言ってしまったのだと、
悔やんでも戻ってこない言葉。
そして、反芻する“嫌い”の2文字。
家に着いた後は、シャワーだけ済ませ、
余計なことを考えないように寝床に着く。
そうして今に至る。
早く寝床についたものの寝られるわけがなく、
寝不足の頭。
思い起こされる昨日の出来事。
こんな状況でも、仕事はいつも通りあって。
とりあえず、目の前の仕事を片さなければと、
意識的に余計な思考をシャットアウトする。
そうして、無理矢理に集中状態をつくり出し、
次々に仕事をこなしていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ(プロフ) - 雫石さん» お気遣いありがとうございます。楽しんでいただける作品を書くために体調を万全にして戻ってきますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年11月8日 22時) (
レス) id: 91e1dda27d (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - レイ様はじめまして。この作品がとても好きで更新を楽しみにしている1ファンでございます。体調の回復心よりお祈り申し上げます (2020年11月8日 13時) (レス) id: e622edf432 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイ | 作成日時：2020年10月20日 0時
