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「こうちゃん、帰ろーっ」
俺を呼ぶ山本先輩の声。
“ 大丈夫、ちゃんと伝えるんだ ”
そう自分に言い聞かせて、先輩の元へ。
2人で校門を出て駅まで歩く帰り道。
“ いつ伝えようか ”
それで頭がいっぱいで、
さっきから話している内容が頭に入ってこない。
そんな俺の異変に山本先輩は気づいてない…たぶん。
すると、
「ちょっと、公園寄ろうか。」
「あ、はい…。いいですよ。」
先輩の提案で、途中の公園に寄ることになった。
2人の時間が増えることはありがたいので、
戸惑いつつ、了解する。
そして、適当なベンチに2人並んで座る。
「何かあった？さっきから、ちょっと変だよ？
僕で良ければ話し聞くよ？」
山本先輩のその言葉を聞いて、今しかないと思い、
「あの…、笑わないで下さいね？」
「うん。」
「俺、山本先輩のことが好きなんです。
初めて廊下ですれ違ったあの日からずっと。」
目を丸くする先輩を見ながら続ける。
「だから…、俺と付き合って下さいっ…！」
そう言って頭を下げた俺は、堪らず目を瞑る。
「こうちゃん…、頭上げて？」
山本先輩に優しい声で促されて、素直に従う。
やっぱりダメか、そう思いながら。
「先に言われちゃったかー。」
「えっ？」
想像と違う言葉に、今度は俺が目を丸くする。
「僕もこうちゃんのこと好きだよ。
本当は、僕から言いたかったんだけど。
これからよろしくね？」
「え…？ええっ？は、はいっ！？」
驚きすぎて、わけのわからない返事を返す。
そんな俺を見て、笑い出す山本先輩。
未だ思考が追いつかない俺に、先輩は教えてくれた。
初めて廊下ですれ違って目が合ったとき、
先輩も同じく一目惚れしていたこと。
なかなか会えなかったから、
生徒会で一緒になれて嬉しかったこと。
そして、生徒会を引退するとき
告白しようとしていたこと。
幸せすぎて夢みたいで、ふわふわした気分の俺。
同じ気持ちってこんなに嬉しいことなんだな。
「改めてよろしくね。こうちゃん。」
そう言って笑う、山本先輩。
「はい。こちらこそ。」
俺もそう笑って喜びを噛みしめるんだ。
気持ちを伝えなければわからなかった先輩の気持ち。
人の気持ちは、その人にしかわからない。
伝えようとしなきゃ伝わらない。
聞いてみなくちゃ、わからないんだ。
これからも、そうやって山本先輩と
2人で未来を築いていこう。
夕陽に染まるベンチで、俺はそう決心した。
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レイ(プロフ) - 雫石さん» お気遣いありがとうございます。楽しんでいただける作品を書くために体調を万全にして戻ってきますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年11月8日 22時) (
レス) id: 91e1dda27d (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - レイ様はじめまして。この作品がとても好きで更新を楽しみにしている1ファンでございます。体調の回復心よりお祈り申し上げます (2020年11月8日 13時) (レス) id: e622edf432 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年10月20日 0時
